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ラーメンの麺を途中でかみ切るのはマナー違反? 下品にならない食べ方とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

熱々のラーメン(写真はイメージ)【写真:写真AC】
熱々のラーメン(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 寒さが増してくるこれからは、湯気の立つラーメンがいっそう恋しくなります。日本では麺をすすって食べるのはマナー違反ではありませんが、途中でかみ切るのは「ちょっと品がない」と言われることも。なぜでしょうか。意外に戸惑うラーメンの美しい食べ方について、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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一度箸でとった分は戻さず食べきる

 基本的に、食事は自分がおいしいと感じることが一番です。ただし、相手や作り手がいる場合は、その周囲の人たちを思いやり、不快にさせないような振る舞いも欠かせません。ラーメンは、カジュアルなお店で食べる機会が多いと思いますが、食べ方の所作が目立つ料理でもあります。

 途中で麺をかみ切ってはいけないといわれる理由は、「一度箸でとったものは、皿や器などに戻さずに食べ切る」という、和食全体に通じるマナーがあるからと考えられます。したがって、箸で取った麺は、途中でかみ切ると、麺の残りを器の中に戻してしまうことになります。かみ切らずに最後まで食べきるのがスマートな食べ方です。

 箸でとる麺の量が多すぎると、口におさまりきらず途中で噛み切ることになる可能性があるため、すすれる分だけを取るようにしましょう。スープの飛び散りが気になる場合は、麺を口に運んだあと、口元の下あたりの麺を箸で軽く支えるようにすると安定して食べやすくなります。

 また、レンゲがある場合は、麺をレンゲの上にのせてからまとめて食べると途中でかみ切らずに食べやすくなります。レンゲは、くぼみに人差し指を入れ、柄の部分を親指と中指ではさむように持つのが正式な持ち方です。

ラーメンを食べる際に気をつけたいこととは

 ラーメンを、ずずっと音を立てて食べるのは控えたほうが良いと感じる方もいるかもしれませんが、基本的に音を立てて食べて問題ありません。しかし、人と一緒に食べに行って、どちらにしたら良いか判断に迷った場合は、同席している人に合わせることをおすすめします。

 食事のマナーで大切なことはその場にいる人たちとおいしく料理を味わうことです。同席しているとくに目上の人が音を立てて食べていれば、音を立てて良いですし、音を嫌うようであればできるだけ音を立てないようにするのが良いでしょう。

 むしろラーメンを食べる際に気をつけたいのは、髪の毛です。食べているときにスープに髪の毛がついたりするのは、周囲から見て気持ちの良いものではありません。髪が長い方は、まとめられるように普段からヘアゴムなどのヘアアクセサリーをバッグに入れておきましょう。

意外にやっている? 食べる際のマナー違反

 同席者がいる場合、おしゃべりに夢中になって、提供されたラーメンをそのままにしておくのは失礼にあたります。作り手は、麺がのびない絶妙なタイミングで提供しているものです。おいしいうちに食べることが、何よりのマナー。途中の会話もほどほどにして、温かいうちに食べ切りましょう。

 熱くて食べにくい場合は、箸で持ち上げた麺に「ふーっ」と息を吹きかけるよりも、いったんレンゲに取ってから冷まし、口に運ぶほうがスマートです。

 マナーは、堅苦しいものではなく、周囲へのちょっとした配慮です。楽しく、心地よく、おいしい一杯を味わいたいですね。

(Hint-Pot編集部)