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日本人はなぜ食器を持ち上げて食べる? 気をつけたい食事のマナー 上げて良い器とNGな器とは
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教えてくれた人:和漢 歩実
日本では食事の際に、ごはんが入ったお茶碗やみそ汁のお椀を、胸元まで持ち上げて食べます。当たり前の動作に感じますが、食器を持ち上げて食べることは世界的に珍しいようです。なぜ食器を持ち上げて食べるのでしょうか。また、持ち上げるとマナー違反になる器とは? いまさら聞けない和食の食器マナーについて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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ごはんや汁物の器は持ち上げて食べてOK
和食の基本は、ごはんに一汁三菜。食べる際、手で持ち上げる器と持ち上げてはいけない器があります。ごはんが入ったお茶碗や汁物のお椀は、持ち上げて食べるのがマナーです。しかし、そのほかの器で、食べる際に持ち上げて良いものか判断に迷うこともあるかもしれません。
器を持ち上げて良いかどうかの基準は、そのサイズにあります。器が手のひらよりも小さければ「持ち上げて良い器」です。漬け物皿やしょうゆ皿なども、食べる際は持ち上げて問題ありません。
一方で、手のひらよりも大きなものは「持ち上げなくても良い器」です。主菜などが盛りつけられた平皿は、持ち上げずに食べましょう。ただし、例外としてカツ丼や海鮮丼、うな重など、一人前のごはんや汁物が入ったどんぶり、お重などは持ち上げて食べてもマナー違反ではありません。むしろ、持ち上げず前屈みになって食べるほうがマナー違反です。
○持ち上げて良い器
茶碗、汁椀、一人用のお重、どんぶり、小皿、小鉢、しょうゆ皿など
○持ち上げなくて良い器
主菜の中皿や中鉢、数人盛りの大きな器、大きくて熱い麺類の器など
大皿料理などで食べにくい場合は、いったん取り皿に移してから、手に持って食べるようにすると良いでしょう。