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「あんなのほかの国でも見たことなかった」 ロシア人が日本のエレベーターで発見… 「誰かが必要として」と感心したこととは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ロシア人のアルテミーさん【写真:Hint-Pot編集部】
ロシア人のアルテミーさん【写真:Hint-Pot編集部】

 日本を訪れる外国人観光客が驚くことのひとつに、多くの場所で見かける、細部にまで行き届いた配慮や工夫があります。小さなことでも、誰かの役に立つようにと考えられたアイデアは、日本人の思いやりの文化を象徴しているようです。ロシアから訪れた男性は、ある場所で日本ならではの工夫を発見したといいます。いったい、何に驚いたのでしょうか。

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有意義な時間を過ごす初めての日本

 ロシア出身のアルテミーさんは、パートナーのジュリアさんとともに、初めて日本へやってきました。10日間の滞在で、大阪や京都、兵庫、名古屋、東京を観光しています。

「日本食に日本文化に自然。すごく有意義な時間を過ごしています」とアルテミーさん。そんな刺激にあふれた日本での滞在中、とても興味深いものを発見したといいます。

「日本はディテールまでこだわり、小さなアイデアを大事にすることで、日々の暮らしをより良くしているって思ったんだ。たとえばエレベーターの角にある小さなイス! あんなのほかの国でも見たことなかった。誰かが必要として、あったら良いなと思ったんだよね」

 アルテミーさんが感心したのは、エレベーター用防災チェアです。普段は高齢者や妊婦、体調の悪い方が休憩できる椅子として使えるこの設備には、実は日本ならではの深い配慮が隠されています。

防災大国ならではの工夫

 地震大国と呼ばれる日本では、災害時にエレベーターが緊急停止し、利用者が閉じ込められるリスクがあります。座面シートを取り外すことで非常用トイレとして使用できるだけでなく、内部には飲料水、非常食、懐中電灯、ブランケット、便凝固剤など、救助を待つ間に必要な救援物資が収納されているのです。

 普段は何気なく使える椅子が、いざというときには命を守る防災設備になる――この発想こそ、日常と非常時の両方を見据えた、日本ならではの配慮にほかなりません。

 日本では小さな工夫の積み重ねが、より良い暮らしを作っています。残りの滞在期間も、ふたりには日本ならではの発見をたくさん楽しんでほしいですね。

(Hint-Pot編集部)