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「刑務所よりひどい」“切り身1切れ”の小学校給食に保護者絶句 給食無償化でさらなる予算削減も
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公立小学校で2026年春に開始予定とされている給食無償化を巡り、国は給食の食材費に充てるための支援額を1人当たり月5200円とする方向で調整を進めています。一方、保護者の間からは給食無償化により、質の低下を招くことを懸念する声も上がっています。11月、小学生の娘が通う学校で提供された給食があまりにも質素だったとして、母親がSNSに投稿した写真が大きな反響を呼びました。ネット上では「病院食かと思った」「刑務所よりひどい」など驚きの声が相次ぎ、地域による給食格差の問題があらためて浮き彫りになっています。投稿者の女性と自治体に、詳しい話を聞きました。
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ごはんと根菜の汁物、小さな切り身1切れとパック牛乳のみの給食
「長女の先週の給食寂しすぎる そりゃ習い事行く前になんか食べたがるわけだ」
11月中旬、SNS上に投稿された写真には、ごはんと根菜の汁物、小さなサバの切り身1切れとパック牛乳のみという、あまりにも質素な給食の内容が収められています。
一汁一菜といえども少なすぎる給食に、ネット上では「ひどすぎる」「病院食かと思いました これじゃ食欲わかないです」「これ刑務所よりひどいんちゃう?」「野菜もタンパク質足りてない」「もう弁当でいいよ。。。幼児のお弁当の方が、多いよ」「保育所より酷いです!!」「育ち盛りの子供達がこんな貧相な給食なんておかし過ぎる」など、献立の内容を疑問視する声が多数寄せられています。
投稿者は相模原市で8歳と1歳の2人の娘を育てる30歳の女性。同市の市立小学校に通う8歳の長女が、下校後に毎日「お腹すいた」と話すことに疑問を感じ、学校のホームページを確認したところ、当日の献立として投稿の写真が掲載されていたといいます。
「給食の写真はたまに見ていたのですが、今回はこじんまりとしたサバ1切れのみで、あまりにもかわいそうだなと思いSNSに投稿しました。たくさんの方からコメントをいただいて、やはり誰から見てもこの給食はひどいこと、地域で給食の格差があること、学校給食より刑務所の食事のほうが豪華なことを知り、驚きました」
一連の反響を受け、女性は「栄養士さんを悪く言うコメントも多かったですが、給食だよりを見る限り最低限の予算でしっかりと考えてくれているようなので、そこには批判が向かないでほしいです。日本の全ての子どもたちが満足のいく給食を食べれるよう、国や自治体が主導して給食問題に取り組んでほしい」と話しています。
相模原市学校給食課の担当者は、Hint-Potの取材に「写真は○○小学校(投稿者のプライバシー保護のため匿名)で11月7日に提供された給食で間違いございません。当日の献立は、麦ごはん、牛乳、サバの変わりみそ煮、沢煮椀(さわにわん、具に豚肉や野菜をたくさん使った汁物)です」と回答。保護者から懸念の声が上がっている、1食あたりのカロリーや栄養素については「学校給食法で規定されている『学校給食摂取基準』に準じて献立を作成しております」とし、今回の投稿にある8~9歳向けの給食では、エネルギーは1食あたり650キロカロリー、たんぱく質はエネルギー全体の13~20%、カルシウムは350ミリグラムなどの基準を満たしているとしています。
また、給食費については、「保護者様にご負担いただいている給食費は月額4600円で、1食あたり270円となっています。実際にはこの額に1食あたり40円を公費で支援していますので、合計しますと月額5300円、1食あたり310円となります」と内訳を説明。
その上で「昨今の物価高騰下におきましても、学校給食摂取基準を満たしながら、旬の食材や地場農畜産物を取り入れ、子どもたちが楽しみにするようなバラエティーに富んだ給食献立の作成に取り組んでいます。引き続き、児童の心身の健全な発達のために必要なエネルギー量と栄養バランスのとれた学校給食を提供すべく、創意工夫しながら取り組んでいきたいと考えています」と理解を求めています。
来年春に開始が予定されている給食無償化では、支援額を月5200円とする方向で調整が進んでおり、実施されれば相模原市では、現在の給食よりもさらに水準が下がる可能性も指摘されています。成長期の子どもたちの食を支える給食の在り方について、より一層の議論が求められています。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)
