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「指定席なのに先客がいる」→切符を確認すると… 新幹線で遭遇したダブルブッキング 車掌も困惑したトラブルに驚きの声 「パラレルワールドが交差したのかも」
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新幹線の指定席を予約したのに、すでに別の人が座っている。そんなとき、たいていはどちらかの勘違いや座席番号の見間違いというケースです。しかし、本当にシステム上でダブルブッキングされてしまったという、極めてレアな体験談がX(ツイッター)で話題に。日時、列車番号、号車、座席、すべてが「まったく一緒」だったという驚きの出来事について、投稿者で、高崎経済大学地域政策学部准教授の鈴木耕太郎(@tcuek_suzuki)さんにお話を伺いました。
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「切符を確認させていただいてよろしいでしょうか?」
「帰りの新幹線 指定席なのに先客がいる」
そんな書き出しで、鈴木さんは新幹線で起きた珍事件を振り返りました。今回の出来事は22日、岩手県盛岡市で開催された東北地方民俗学合同研究会の帰り道でのこと。著書に「牛頭天王信仰の中世」(法藏館刊)がある鈴木さんは、「牛頭天王(ごずてんのう)信仰」について20年以上研究してきました。
牛頭天王とは、日本の中世から近世にかけて、主に疫病除けなどの利益があるとして信仰されていた神仏です。そんな長年の研究がテーマに選ばれたこともあり、会員ではないものの、発表を聞きに学会へ参加していたそうです。
研究テーマが学会の統一テーマになるという稀有な機会に、テンションが上がっていたという鈴木さん。ところが、懇親会を終えて帰りの新幹線に乗り込むと、まさかの光景が広がっていました。なんと、自身が予約したはずの指定席に、すでに先客が寝ていたのです。
鈴木さんによると、まずは慎重に自身の切符を確認したあと「すみません、切符を確認させていただいてよろしいでしょうか? 僕の切符ではここの座席になっているので」と優しく声をかけたそうです。先客とお互いに切符を確認したところ、驚くべきことが判明します。日時、新幹線の列車番号、号車、座席番号──すべてが完全に一致していたのです。
車掌を呼んでシステムを確認してもらうと、「システム上ではあなた(鈴木さん)の座席になっている」とのこと。しかし、先客の切符を見ると、確かに鈴木さんの切符と同じ内容が表示されているという、車掌も困惑する事態になりました。
驚きの顛末には、なんと4万件もの“いいね”が。リプライ(返信)には「だいたいの場合が、どちらか片方の勘違いや思い込みなんですが、二重発券とは災難でしたね」「パラレルワールドが交差したのかも」といった声が。また、意外にも「まったく同じ経験あります」など、同様の体験をしたことがある人からの声も多数寄せられました。
システム上では「2つ後ろの座席」の謎
鈴木さんは「正直、大変申し訳ないのですが先方のミスだと思い込んでいました………。普段は自由席ばかり乗っていて、指定席に乗ることは少ないので、余計に『なんで?』と困惑もしました」と振り返ります。
車掌に確認したところ、先客は、システム上では「2つ後ろの座席」になっていたそう。しかし、先客のスマートフォンに表示された情報は、鈴木さんの切符とまったく同じだったのです。
「なぜこのようなことになったかについては、謎のままです。とはいえ、大変丁寧にご対応いただきました」
結果として、鈴木さんが取っていた席には先方が、システム上で先方が取っていたとされる席には鈴木さんが、それぞれ座ることになりました。それまで連結部などで立っていたという鈴木さん。無事に座ることができたのは、盛岡駅を発車してから20分ほど経過していたそうです。
「実は投稿をする前にも、同じような体験をした人がいるのかネットで調べていたのですが、意外にそこでも同じような経験談がいくつか見られたので、本当にレアな体験というわけでもなさそうだとは思っていました」
それでも、多くの人にとって驚きの体験であることに、変わりはありません。研究者として喜びに満ちた一日の締めくくりに起きた、不思議な出来事でした。
(Hint-Pot編集部)
