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「少し時間がかかりました」 イタリア人が困惑 念願の日本留学で慣れるまで困ってしまったこととは
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日本を訪れる外国人が楽しみにしていることのひとつに、日本ならではの食文化があります。寿司やラーメン、天ぷらなど、多彩な料理を味わうことは旅の大きな醍醐味です。イタリアから交換留学で初めて日本を訪れた女性も、日本での食事を楽しみにしていましたが、到着直後は食べられるものを探すのに苦労したそうです。いったい、何があったのでしょうか。
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交換留学で初めての日本へ
イタリア中部の東海岸に位置するペスカーラ出身のジョルジアさん。現在はそこから約250キロ離れた内陸の街・ペルージャのペルージャ外国人大学で日本語を学んでいます。ペルージャに来てから、剣道も習い始めたそうです。
そんなジョルジアさんは2025年3月から6か月間、京都産業大学での交換留学を経験しました。ジョルジアさんにとって、念願の日本訪問です。
「日本の伝統的な能や歌舞伎などの劇場、自然あふれる公園などを訪れました。日本語だけでなく文化も学びました」
ジョルジアさんが日本語を学び始めた背景には、日本への憧れがあったといいます。
「日本の文学がとても好きだからです。太宰治は映画も好きです。卒業論文は黒澤明『蜘蛛巣城について』を書きました」
到着当初は食事に戸惑いも
日本での生活が始まると、ジョルジアさんは食の違いに戸惑う場面があったといいます。というのも、ジョルジアさんはベジタリアンだったため、到着直後は食べられるものを探すのに苦労しました。
「私、魚も肉も食べないんです。だから着いてすぐはちょっと困りました。最初の宿泊場所にはキッチンがなかったので、外食するしかなくて……。でも、レストランへ行ってもラーメンなどのだしには魚が入ってたりするんですよね……。野菜とかごはんだけで食べられるお店を探すのに、ちょっと時間がかかりました」
日本料理の基礎となるだしには、かつお節や煮干しなど魚介類が使われることが一般的です。一見すると野菜中心に見える料理でも、だしに動物性の食材が含まれているケースは少なくありません。ベジタリアンにとって、日本での食事選びは想像以上に難しいものだったようです。
生活を重ねて見つけた選択肢
しかし、日本での暮らしを続けるうちに、ジョルジアさんは新たな発見をしました。
「生活していくうちに、ベジタリアンのためのラーメンを作ってくれるところがあったり、魚を使用しないベジタリアン向けの寿司なども見つけました」
近年、日本でも多様な食習慣に対応する飲食店が増えてきています。京都のような観光地ではとくに、ベジタリアンやヴィーガン対応のメニューを提供する店舗も少なくありません。
半年間の留学生活を通じて、自分に合った食の選択肢や日本文化の奥深さを見つけていったジョルジアさん。これからも、自分なりの楽しみ方をさらに広げて、日本での経験を前向きに生かしていってくれるといいですね。
(Hint-Pot編集部)