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「たくさん訪れたので…」 イタリア人が日本で得た学びの証 「ノートがいっぱい」になったほど集めたものとは
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ユニークな文化を持つ日本は、今、世界からの関心がますます高まっています。そんな日本で半年間、留学生活を送ったイタリア人女性は、訪れた場所との特別な縁を形にして残してくれる、日本ならではの習慣を体験したそうです。ノートがいっぱいになるほど熱心に集めたものとは、なんだったのでしょうか。
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文学と映画から始まった日本への憧れ
ジョルジア・カンデローロさんは、イタリアの学園都市・ペルージャにあるペルージャ外国人大学で、日本語を専攻している学生です。日本の文学作品や映画に魅了され、その文化をより深く知りたいという思いから、3年前には剣道の稽古も始めました。
そんなジョルジアさんにとって、今年3月は特別な月となりました。交換留学制度を利用して、京都産業大学での留学生活がスタートしたのです。約半年間の滞在が決まっていました。
日本語の授業はもちろん、能や歌舞伎など、教科書でしか知らなかった伝統芸能を実際に鑑賞する機会にも恵まれました。日々の生活の中で、日本文化への理解が少しずつ深まっていったそうです。
訪れた先々で集めた特別な思い出
ジョルジアさんは、滞在中に各地の神社やお寺にも積極的に足を運び、参拝の記念に御朱印を集めていたそうです。
「たくさんの神社仏閣を訪れたので、私のノート(御朱印帳)は御朱印でいっぱいです。なかでも気に入ったお寺は、東京の浅草寺です。門を入ってから本堂まで続く、あの道の雰囲気が好きで。日本に来て最初に行ったお寺だったので、より印象に残っているのかもしれません」
また、京都の龍安寺での体験も、彼女の心に深く刻まれたといいます。
「京都では、龍安寺が一番好きです。まず枯山水が目に入ってきました。どこの角度から見ても、必ずひとつは隠れて見えない石があると説明を受けました」
白砂と石だけで構成されたシンプルな庭。しかし、その配置に深い意味が込められていることを知りました。
「人生では、すべてを知ることはできません。完全な視野があっても、不思議な部分があり、人生の美しさである。すべてを知ることができなくても、信じて前に歩いていく。そういった哲学に、とても心惹かれました」
日本庭園が静かに語りかける哲学は、遠くイタリアから来た若い学生の心に、確かな足跡を残したようです。御朱印でいっぱいになったノートは、ジョルジアさんにとって、日本で得た精神的な学びの証となったに違いありません。
(Hint-Pot編集部)
