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「こわごわと口に運んだ感じです」 イギリス人が日本で体験した未知の食事 「何を食べているのか」と緊張したものとは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

イギリスから来た(左から)ウィンさんとメラニーさん【写真:Hint-Pot編集部】
イギリスから来た(左から)ウィンさんとメラニーさん【写真:Hint-Pot編集部】

 繊細な味付けと美しい盛り付けで、外国人観光客を魅了する日本の料理。世界中の食通をうならせ、高い評価を受けています。イギリスから訪れた夫妻は、ある日本食を初めて体験し、あまりにも未知の世界だったことに驚いたといいます。いったい、どのような料理だったのでしょうか。

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コロナ禍から続く日本への思い

 イギリス北部に位置するニューカッスル近郊から来た、ウィンさんとメラニーさん夫妻。ウィンさんにとっては3度目、メラニーさんは初めての日本です。2週間の滞在予定で、今回は念願だった夫婦での旅を楽しんでいます。

 1度目の訪日は2020年、コロナ禍の真っ只中でした。多くの施設が閉まっていたため、友人たちとレンタカーを借りて各地を回ったといいます。福岡から大分、阿蘇へと抜けるドライブ旅行は、困難な時期にもかかわらず、忘れられない思い出になりました。

 2度目は息子さんと、東京に1週間滞在。ポップカルチャーが大好きな息子さんにつきあい、2日間ずっと秋葉原で過ごしたそうです。

 今回は満を持して、妻のメラニーさんとともに訪日。小田原や京都をめぐり、レンタカーで富士五湖を3日間かけてめぐったことが、とくに印象深かったようです。

「河口湖などのスポットは観光客であふれていましたが、ちょっとエリアを変えるだけで全然違うんですよね。紅葉や自然が美しくて、白糸の滝や小さな神社を訪れることもできて、とても良かった」

 メラニーさんは、静かな場所で日本の自然美に触れられたことに感激していました。

少しずつ出てくる料理に緊張

 日本各地を旅するなかで、とくにふたりの印象に残っているのが、ある日本食体験でした。

「懐石料理の店に行ったのですが、少しずつ出てくるものがどういう味なのか、何を食べているのか、こわごわと口に運んだ感じです」

 ウィンさんは、そう笑いながら話します。次々と運ばれてくる、旬を彩った小さな一皿一皿に、戸惑いながらも挑戦。見たこともない食材や、繊細な盛り付けに、最初は緊張しました。しかし、実際に口にしてみると、その繊細な味わいに驚かされたようです。

「トライしてみて、口に合わないものはなかったですけどね」

 イギリスでは、ボリュームたっぷりの料理が一度に提供されるスタイルが一般的です。それに対して、懐石料理は一品ずつ、独特のペースで丁寧に運ばれてきます。その文化的な違いも、ウィンさん夫妻にとっては新鮮な体験だったに違いありません。

「日本食は大好きです。でも、味覚が洋風な僕たちからすると、未知数な調味料、味がまだまだありますね」

 旅を通じて、自然の美しさとともに、日本の食文化の奥深さにも触れたウィンさん夫妻。今回の滞在が、日本への理解をさらに深める、貴重な機会となったようです。

(Hint-Pot編集部)