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「寿司にソースをかけるようなもの」 イタリア人が笑った日本人のピザの楽しみ方 本場では「店に断られる」スタイルとは
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クリスマスパーティーの定番としても、日本で親しまれているピザ。1枚のピザで複数の味を楽しめるスタイルも人気です。しかし、ピザの本場・イタリアで生まれ育った人には受け入れられない場合もあるようです。6月下旬からアメリカ・ロサンゼルスに住むYoさんが、現地の生活事情や外国人から見た日本の印象などを綴るこの連載。第20回は、イタリア人が否定的だった日本のハーフ&ハーフピザについてです。
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イタリア人が否定的だったピザの食べ方
日本では、1枚で2種類、または4種類と味が分かれているピザのスタイルは、宅配ピザでも定番です。1枚でさまざまな味が堪能でき、シェアする楽しさも広がりますよね。
ところが、ピザの本場・イタリアでは手放しで受け入れられるものではないようです。知人のイタリア人男性に、カラフルな日本の宅配ピザの画像を見せたところ、驚きのピザ事情を明かされました。
「実際に見たことはないけれど、存在は知っているよ。イタリアでもオーダーすれば作ることはできると思う。でも、伝統を大事にする店だったら断られるだろうね。イタリアでは『1枚に1種類』が普通だから。日本でいえば、寿司にソースをかけるようなもんだよ。それって伝統的じゃないだろ?(笑)」
彼は「1枚に複数のチーズを使うことはある」と、4種類のチーズを使ったクアトロフォルマッジを例に説明してくれましたが、「味が違いすぎるものは、あまり一緒にしたくない人が多いと思う」と言います。
「ピザは具材とチーズのバランスが大事なんだ。とくにシンプルなものがいい。だから、たくさんのせるとバランスが崩れちゃうよ。なかには、それを好む人もいるかもしれないけど」
楽しみ方の違いも食の面白さ
彼は一度の食事でいろいろな味を楽しめる良さを理解しつつ、ハーフ&ハーフを注文しない理由として「ピザはいつでも食べられるから、違う味を食べたければ翌日食べればいい」と話していました。
イタリアでは、ピザを連日食べることも珍しくないそう。そのため、一度にさまざまな味を楽しむより、調和がとれていることが重要のようです。彼は「日本ではその形が人気なんだね。もし僕が日本で店を出すなら、そのやり方で作るよ」と笑っていました。
一枚を丁寧に味わうのも、一度に多様な味を楽しむのも、食に対する豊かな感性の表れだと感じました。国が変われば、食の楽しみ方も変わる。それがまた、食のおもしろさなのかもしれません。
(Yo)
Yo(ヨウ)
新聞社に5年、ネットメディアに6年勤め、スポーツを中心に取材・執筆・編集活動をしたのちに退職。30代半ばでアメリカ・ロサンゼルスに拠点を移した。大学時代はバックパッカーとしてアジア、南米を放浪。仕事を含めて20か国近く訪れたものの、意思ばかり伝えてリスニングが苦手な一方通行イングリッシュに終止符を打つべく、英語習得にも励んでいるところ。
