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「赤ちゃん扱い」されないための食事マナー イタリア人が軽くバカにしてくるNG行為とは
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海外旅行先での食事は、楽しみのひとつですが、現地の食事マナーを知らずに恥ずかしい思いをした経験はありませんか? 日本では当たり前のことでも、外国では「子ども扱い」されてしまうマナー違反だったということも。フードジャーナリスト・斎藤理子さんが、海外生活で体験した食文化の驚きを紹介する新連載がスタート。第1回は、美食の国・イタリアで、日本でなにげなくやっている食べ方をすると、思わぬ誤解を招くという実体験談。ヨーロッパ各地のトラットリアで学んだ、知っておきたい現地の食事作法をお届けします。
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おいしい料理を求めてロンドンからイタリアへ
私は以前、イギリスのロンドンに6年半、アメリカのワシントンDCに5年半、住んでいました。その間に世界中を旅して回りましたが、まずはロンドン在住中にイギリスやヨーロッパで体験した、食にまつわるあれこれをご紹介していきたいと思います。
今でこそ人々の対する意識が革命的に変化し、食事が劇的においしくなったロンドンですが、私が住んでいた当時は世間での評判通り、どこのレストランも味がいまいち。何をどうやったらここまでおいしくなくなるのかと、心底不思議に思う料理に遭遇し、びっくりすることもしばしばでした。大好きな外食があまり楽しくありません。そのため、おいしいごはんを求めて、ヨーロッパのあちこちへ食べに出かけていました。
ロンドンからパリは1時間、ローマも2時間半くらいで行けるので、ごはんがおいしいその2か所には頻繁に通っていました。そこを起点にフランスやイタリアの各地を旅したのも、とてもいい経験と勉強になっています。
各地の共通点は、パスタを食べるときにスプーンを使わないこと
イタリアのレストランは高級な順に、リストランテ、トラットリア、オステリア、ピッツェリア、バールなどに分かれています。ミシュラン星付き店もたくさんあるリストランテは、なかなかハードルが高いので、行くのはもっぱらカジュアルなトラットリアかピッツェリア。日本人にもおなじみのメニューが豊富なトラットリアは、気楽においしいものが味わえて、リラックスできる場所です。
パスタの種類も豊富で、日本ではあまりお目にかかれない形のパスタや、食べたことがない食材の組み合わせのソースなどがメニューに並び、ワクワクします。イタリア料理は「地方料理の集合体」とよくいわれますが、その土地ごとに特色があり、各地のパスタを食べ比べるのも楽しい体験です。
各地の特色を持つイタリアのパスタですが、共通点がひとつだけあります。それは、パスタを食べるときにスプーンは使わないということ。
日本では、パスタにはフォークとスプーンが添えられていることが非常に多いと思います。とくにスパゲティなどのロングパスタの場合、スプーンの上でパスタをくるくる巻いて食べるのが一般的ですが、これはイタリアではNG。パスタにスプーンは御法度です。
