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新しい品種が市場に出るまで「20年」 キウイ一粒に注がれるニュージーランド研究者たちの“こだわり”

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著者:Hint-Pot編集部

キウイフルーツブリーディングセンターのサラ・ヒッキーさん
キウイフルーツブリーディングセンターのサラ・ヒッキーさん

 ほぼ一年を通して店頭に並び、日本でもすっかり身近な果物となっているキウイフルーツ。なかでも、ニュージーランド産のキウイは、日本の店頭で広く見られます。鮮やかな果肉の色や味わい、安定した供給の裏側には、品種改良や品質管理など長年にわたる取り組みがありました。ニュージーランドでキウイフルーツの研究・新品種開発を担う「キウイフルーツブリーディングセンター」のコミュニケーションスペシャリスト、サラ・ヒッキーさんへの取材をもとに、日本の店頭に届くまでをひもときます。

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新品種が市場に出回るまで

 ヒッキーさんが所属する同センターは、ニュージーランドの国営研究機関とキウイの生産、販売を手掛けるゼスプリが合同出資して、2021年10月に設立されました。そこでは日々、キウイフルーツの研究や新品種開発が行われています。

 新品種の開発は、遺伝資源の探索から始まり、毎年数万規模の種子を植えて選抜を行います。果実ができるまでに約2年、その後の評価にさらに3年を要し、苗木ができるまで最低でも5年程度かかります。その過程で多くの候補が淘汰され、最終的に市場ニーズや栽培条件を満たしたものだけが残るのです。

 新品種開発の評価では、味や食感だけでなく、見た目、保存性、輸送性、栽培のしやすさ、病害虫への耐性など、サプライチェーン全体を考慮します。消費者の嗜好も重要で、プロのテイスターによる官能評価や市場テストも行われます。

 日本でも人気のサンゴールドキウイは10年以上、近年注目を集めているルビーレッドキウイは20年以上の歳月をかけてゼスプリが独自に開発し、育種権を持つ品種です。日本の市場に出回っているグリーン、サンゴールド、ルビーレッドといった品種には、それぞれ異なる栄養特性がありますが、将来的にはこれらの特長を一つにまとめた品種の開発も目標としています。

現地から日本へ届くのは“高品質”のものだけ

選ばれたものだけが海外の市場へ
選ばれたものだけが海外の市場へ

 ニュージーランドで収穫されたキウイフルーツは、ニュージーランド政府の検査を経て、温度管理された専用の保冷船で日本へ届けられます。農園から店頭まで、徹底した品質管理基準のもとで一つひとつ丁寧に扱われていることが、安定した品質を支えているのでしょう。

 ニュージーランド産キウイの大部分を管理するゼスプリでは、一定の品質のキウイを世界中に届けるため、独自の厳しい基準を設けています。日本に届くキウイも、その基準を満たした高品質のものです。

 世界の果物市場において、リンゴやバナナに比べると、キウイフルーツのシェア率はまだまだ小さな存在です。だからこそ、現地でキウイ生産に携わる人たちは、消費者がひとくち食べた瞬間に「また買いたい」と思える完璧な品質にこだわっているといいます。

 日本のスーパーで何気なくカゴに入れたそのキウイ。そこには、多くの研究者や生産者が長い歳月をかけて積み上げた取り組みと、より良い果実を届けたいという思いが詰まっています。次にその甘さを味わうときは、遠いニュージーランドから日本の店頭に届くまでの過程に少しだけ思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

(Hint-Pot編集部)