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キウイフルーツの中央にある白い部分 残さず食べたほうが良い理由 わかりにくい食べ頃を見分ける方法も 栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

ゴールド、グリーンのキウイフルーツ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ゴールド、グリーンのキウイフルーツ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 キウイフルーツは通年、店頭で販売されていますが、輸入ものに加えて国産が並ぶのは11月頃。真ん中でカットすれば、スプーンですくって手軽に食べられるので、朝食や食後のデザートに人気です。果肉の色はグリーンやゴールドが一般的ですが、中央を見ると芯のような白い部分があります。これはなんなのでしょうか? キウイフルーツについて栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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食べないほうがいい? キウイフルーツの白い部分

 キウイフルーツの原産地は中国です。1900年初頭に、中国を訪れた旅行者によってキウイフルーツの種がニュージーランドに持ち込まれ、品種改良されて現在のキウイフルーツの原種が誕生したとされています。もともとは「チャイニーズグースベリー」と呼ばれていたそうですが、ニュージーランドの鳥「キーウィ」にちなんで「キウイフルーツ」と呼ばれるように。

 日本には1960年から1970年にかけて輸入され始め、一般的に広まっていきました。現在、日本で販売されるキウイフルーツの多くはニュージーランド産ですが、11月頃から愛媛県や福岡県、和歌山県など国産も店頭に並びます。果肉が緑色の通称「グリーンキウイ」のほか、黄色い「ゴールドキウイ」が代表的です。

 キウイフルーツは甘酸っぱくジューシーな味わいが特徴で、半分にカットすればスプーンですくって手軽に食べられます。カットした際、キウイフルーツの果肉の真ん中にある白い部分は、リンゴや梨の中央にある芯のように食べてもあまりおいしくないと思われるかもしれませんが、熟すと甘くなるおいしい部分なので残さず食べましょう。この白い部分は「胎座」といって、キウイフルーツのめしべが果実の成長とともに変化したもので、栄養豊富ともいわれています。

キウイフルーツが「すごい」といわれる栄養とは

木になった収穫前のキウイフルーツ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
木になった収穫前のキウイフルーツ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 キウイフルーツの栄養成分といえば、なんといっても豊富なビタミンCが挙げられるでしょう。ビタミンCは抗酸化作用があり免疫機能を助け、また美肌のためのコラーゲン生成に必要となります。風邪や乾燥が気になるこれからの季節に摂取しておきたい栄養素です。日本食品標準成分表2020年版(八訂)をもとに100グラムあたりのビタミンCの数値をみると、グリーンが71ミリグラム、ゴールドが140ミリグラムとなり、ゴールドのほうが多め。同量のミカンが32ミリグラム、イチゴが63ミリグラムなので、たっぷりと含まれています。

 また、食物繊維が多いのも特徴です。同じく100グラムあたりの含有量でみると、グリーンキウイは2.6グラム、ゴールドキウイは1.4グラムで、グリーンのほうが多く含まれています。水溶性と不溶性の食物繊維をバランス良く含み、腸内環境を整え便秘が気になる人は摂取したい果実といえるでしょう。体内の余分な塩分を排出するカリウムも多く、むくみが気になる人にもおすすめです。

 このほか、たんぱく質分解酵素であるアクチニジンを含むので、調理する肉をキウイフルーツと一緒に漬けておくとやわらかく仕上がります。アクチニジンには消化促進効果もあるため、とくに肉や魚の食後のデザートとして食べると、胃もたれを防ぐことも期待できるのでおすすめです。

 キウイフルーツは皮の色が変わらないため、食べ頃を判断するのは難しいですが、見極めのポイントとなるのは触感。縦に持って上下を指で軽く押したときに、少しやわらかさを感じたら食べ頃です。中央にある白い部分も熟しているでしょう。ゴールドの果肉のキウイフルーツは、食べ頃が店頭に並ぶことが多いのですが、グリーンは硬くて買ってもすぐに食べられないこともあります。早く追熟させて食べたいときは、リンゴやバナナなど、成熟促進のあるエチレンガスを出すフルーツと一緒にビニール袋に入れ、室温で2~3日置くと良いでしょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾