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アジサイは「縁起が悪い花」? 庭に植えてはいけないといわれる理由とは
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梅雨の時期を彩るアジサイ。雨に濡れた姿も美しく、親しまれている花です。一方で、「縁起が悪い」「庭に植えてはいけない」と聞いたことがある人もいるかもしれません。なぜ、そのようにいわれるのでしょうか。日本古来の伝承や風習、先人の知恵など諸説に着目する本連載。今回は、アジサイにまつわる言い伝えについて紹介します。
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さまざまな言い伝えや習わしがある
アジサイは、梅雨の季節を代表する花のひとつです。青や紫、ピンク、白など花色が豊富で、最近ではギフトフラワーとしても人気があります。花びらのように見える部分は、実は「がく」です。品種にもよりますが、思わぬ色の変化を楽しめるのも魅力のひとつでしょう。
しかし、ひと昔前は縁起が悪い花とされ、庭に植えるのを避ける地域もあったようです。がくが4枚であることから「四」が「死」に通じるとか、色が変わることが移り気や心変わりを連想させるなどの理由が挙げられます。また、茎には芯がないとされ「庭に植えると一家の大黒柱が亡くなる」といった俗説もありました。
また、咲く時期も関係していたと考えられています。医療が発達していなかった昔は、季節の変わり目である梅雨の頃に、体調を崩して亡くなる人も少なくなかったようです。死者に手向ける花として使われたのも、縁起が悪い花という印象につながったのでしょう。寺や墓地に植えられていることが多かったので、庭に植えることを避けるようになったという説もあります。
一方で、地域によってはアジサイをお守りにする習わしがあり、今も受け継がれています。6月の6がつく日に、白い紙で包んだアジサイを逆さまにして吊るすものです。玄関に吊るすとお金が貯まるとか、トイレに吊るすと婦人科系の病にかからないなどの言い伝えがあります。
近年は「結びつき」や「仲良し」の意味も
花言葉をみると「無常」や「浮気」「冷酷」などネガティブなものがあり、「怖い」イメージを持つ人もいるかもしれません。ただし近年は、小さな花びらのようながくが密集して咲く姿から、「結びつき」や「仲良し」といった温かな意味でとらえられることも増えています。また、がくがぎゅっと集まっている様子から「人やお金が集まる花」とされることもあるようです。
アジサイは耐陰性があります。花期も1~2か月と長く、手入れが簡単なことから、育てやすいといわれています。どうしても言い伝えが気になる場合は、庭植えではなく鉢植えで楽しむのも良いでしょう。
アジサイの色が変わるのは、土中のアルミニウムを吸収する量に関係するといわれています。時の経過とともに色を変えるので、「七変化(しちへんげ)」と呼ばれることもあります。古くからさまざまな言い伝えがありますが、私たちの暮らしに寄り添ってきた花です。じめじめとした雨の日も、心を晴れやかにしてくれるでしょう。
(鶴丸 和子)

鶴丸 和子(つるまる・かずこ)
和文化・暦研究家。留学先のイギリスで、社会言語・文化学を学んだことをきっかけに“逆輸入”で日本文化の豊かさを再認識。習わしや食事、季節に寄り添う心、言葉の奥ゆかしさなど和の文化に詰まった古の知恵を、今の暮らしに取り入れる秘訣を発信。昭和好き。
インスタグラム:tsurumarukazu