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「どれくらい面倒なことをお願いしたの?」 アメリカ人が困惑 日本の暮らしで変化した意識とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

アメリカ人のスティーブンさん【写真:Hint-Pot編集部】
アメリカ人のスティーブンさん【写真:Hint-Pot編集部】

 訪日外国人から、「日本人はとても親切」といった声を聞くことがあります。しかし、外国人が日本に長く暮らすうちに、その“親切さ”の見え方が変わることもあるようです。研究員として日本で働くアメリカ人は、日本人を「みんながただ優しいだけ」と思っていたものの、のちにその見方が変わり、戸惑ったこともあったといいます。いったい、どのようなことがあったのでしょうか。

 ◇ ◇ ◇

約2年半の日本での暮らしで共感したことと戸惑ったこと

 アメリカのニューヨークから2年半前に来日し、現在は沖縄科学技術大学院大学で研究員として働くスティーブンさん。日本で暮らして感じることを尋ねると、次のように話します。

「アメリカとは文化がかなり違うので、その違いを体験できるのがおもしろいんです。日本にいると、社会のあり方や人との関わり方、ルールについて、いろいろ考えさせられます」

 日本で暮らすなかで共感していることのひとつが、仕事への向き合い方です。「日本では、多くの人が自分の仕事に誇りを持って、丁寧に取り組んでいるように感じます。僕自身もそういう姿勢を大事にしているので、そこにはすごく共感します」といいます。

 一方、戸惑ったこととして挙げたのが、コミュニケーションの違いです。日本では、誰もが自分の気持ちを率直に伝えているわけではないことに気づいたそうです。

「アメリカでは、オープンであることがとても良いことだと考えられています。もちろん、相手に失礼なことを言いたいわけではなくて、自分がどう感じているのかを相手にきちんと伝えることが大事だという感覚ですね。でも日本では、それがいつも一番良い方法とは限らないのかなと思うようになりました」

「最初は、みんながただ優しいだけだと思っていた」

 スティーブンさんによると、アメリカでは相手が迷惑だと感じている場合、態度にはっきり表れることが多いといいます。一方、日本では困っていても丁寧に対応してくれるため、最初の頃は、自分が相手に負担をかけていることに気づきにくかったそうです。

「たとえば、お店で込み入った質問をしても、日本の店員さんはとても丁寧に対応してくれます。アメリカよりずっと親切に見えて、最初は、みんながただ優しいだけだと思っていたんです。でも日本に長くいると、それが相手にとって負担になっている場合もあるんだと気づくようになりました」

 相手の言葉や態度だけでなく、その場の「空気」にも意識を向けるようになったスティーブンさん。そのなかで、日本では、周囲に配慮しながら遠慮ぎみに話す傾向があると感じたそうです。

 そうした気づきは、最初は心地良いものではありませんでした。自分の振る舞いで、相手が何も言わなくても、実は困っているかもしれないと気づいたときは「少し難しい時期だった」と振り返ります。「でもだんだん慣れて、どう振る舞えばいいのか、少しずつわかるようになっていくんです。今は、以前よりも周りの反応を意識できるようになりました」とスティーブンさんは話します。

「日本に来たばかりの外国人は、『日本人は世界で一番親切だ』と言うことがあります。もちろん親切なのですが、僕は少し聞いてみたくなるんです。『その人たちに、どれくらい面倒なことをお願いしたの?』って」

 日本人の親切さだけでなく、同時に遠慮や周囲への配慮にも目を向けるようになったスティーブンさん。文化の違いに戸惑いながらも、日本での生活を楽しんでいるようです。

(Hint-Pot編集部)