どうぶつ
“ヨボヨボ顔”が大反響 都合が悪いと演技をする猫エイズキャリアの元保護ねこ 「表情豊かで人間みたい」
公開日: / 更新日:
キッチンへ侵入したことを叱られ耳まで下げてしょんぼりする「ポッコちゃん」
ねこは都合が悪くなると、突然しおらしくなったり、スルーをしたり……。そんな反応が人間っぽくもあり、とても愛らしく感じますよね。叱られた途端、“ヨボヨボ”とおじいちゃんのような顔を見せる元保護ねこが話題になっています。飼い主のあゆみおんま(ayumioyabun)さんに話を聞きました。
◇ ◇ ◇
ヨボヨボ顔がかわいらしい、推定年齢10歳の通称「ポッコちゃん」こと「ポッコ爺」くん。飼い主さんが初めてポッコちゃんを見かけたのが3月だったことから、当初は「桜爺」と名付ける予定でした。しかし、韓国語で桜を意味する「ポッコ」の響きが良かったことから、現在の名前になりました。
この日、キッチンに入ろうとしたところを飼い主さんに止められたポッコちゃんは、途端にこの表情になったそうです。耳は下がり、目もしょんぼり。「表情豊かで人間みたい」「外猫時代のヨボヨボ顔と違って幸せなヨボヨボ感?(笑)」「甘やかしたくなります」など、たくさんのコメントが寄せられています。
実はポッコちゃんは元野良ねこ。そして猫エイズキャリアを持っています。出逢った頃のポッコちゃんは去勢手術もされておらず、よく出没していた飼い主さんの勤務先である会社周辺にマーキングもしていたことから、TNR(一度捕獲し、不妊手術後に再び元の場所に返すこと)をするつもりで餌付けを始めました。
動物病院に連れていくも脱走 再捕獲までは涙に暮れる日々
餌付けを始めて4か月後、とうとうポッコちゃんを捕獲し動物病院に連れて行くことに。しかし、不手際で病院に入る直前で逃がしてしまいました。ポッコちゃんのテリトリーである会社から動物病院までは、車で移動しなければ行けないような距離。しかも大きな川が途中にあり、自力で戻るのは難しそうな位置にありました。
「ポッコがかわいそうで、何としても連れて帰りたかったのですが、その時はまだ一度も触ったことがなく、自分の名前も認識していない状態でした。捕獲するのは恐らく無理だろうと思い、毎日泣いていました」と飼い主さん。
自作のポスターを病院の周辺に貼り、情報を集めることから始めてみたところ、運良くポッコちゃんがごはんを食べに家へ来ていると情報をくれたおじいさんがいたそうです。それからはおじいさんに何とか協力してもらい、3か月後、娘さんの力も借りてようやくポッコちゃんの再捕獲に成功しました。
その後、病院で去勢手術や血液検査、ワクチンをしてもらったところ、ポッコちゃんは猫エイズが陽性だと判明。そのためまた外に戻すことはできないと思い、ポッコちゃんを家ねこにしようと決心しました。
しかし、ポッコちゃんは根っからの外ねこ。最初は触ることもできず、噛まれたりすることも度々あったそうです。しかし、ポッコちゃんは外ねこだった時にいろいろなねこと触れ合ってきたおかげか、先住ねこたちに威嚇することはなかったそう。
他のねこちゃんたちの力もあり、ポッコちゃんは次第に心を開いていきました。今では先住ねこたちと同じように抱っこをされ、さらには被り物までさせてくれるようになりました。今では超甘えん坊で、飼い主さんの後をいつも追いかけ回しているそうです。
「ねこをお迎えする場合は、お外で頑張って暮らしている子たちをぜひ検討してほしいです」と話す飼い主さん。5匹の元保護ねこたちに囲まれ、幸せな毎日を過ごしています。
(Hint-Pot編集部)