「ミス東大2017」グランプリに輝き、東大生として人気のクイズ番組やバラエティーに多数出演し注目された松本有紗さん。現在は大手芸能プロ「ホリプロ」のアナウンス室に所属する一方、東京大学大学院農学生命科学研究科で「土壌」について研究しており、修士号取得後の今年4月からはいよいよ芸能活動に専念する。東大卒、しかも東大大学院修士という肩書きは今後の芸能活動にとって強い武器となるに違いないが、そもそもなぜ東大に進学したのか？　インタビュー前編では、中学受験について話を聞いた。

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現在は東京大学大学院農学生命科学研究科で「土壌」について研究中

　私は今、土壌について研究しています。所属しているのは東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命科学専攻土壌圏科学研究室というところで、修士論文はこの1月に提出。修士号を取った後は、博士課程には進学しないで芸能のお仕事に専念します。

　学部生時代からテレビに出て楽しくお仕事をしていましたが、卒業後はどうするのかと迷っている中で大学院に行くことに決めました。大学院に行けば将来を考える時間ができるし、大学院で研究しながら仕事もできると考えたから。

　それから2年が経ち、再び就職するのか、するなら何系なのか、芸能活動に専念するのか、と迷う日々。いまひとつあやふやだったのですが、芸能活動に専念することに決めました。何か恋愛とかが面倒くさくて早く落ち着きたいなと思って、昨年2月20日に結婚したんですが、それが芸能活動に専念したくなった理由かもしれません。

都立中学受験のはずが超難関の桜蔭へ！

　中学校は桜蔭（おういん＝※1）に通っていました。実は、元々中学受験は考えていませんでした。通っていたのは公立小学校だったし、周りの子も中学受験はしないという環境。最初は都立中学に入ろうと思い、小学校5年生の時に進学塾に通い始めました。（都立中学は）ちょっと勉強したら合格できるだろうという軽い気持ちだったんです。

　でも、お母さんがおっちょこちょいで入塾テストの際、間違えて「難関中学受験者クラス」に願書を出してしまって。元々は一般のクラスに入るつもりでした。そうしたらたまたま一番上のクラスに入ってしまい、塾の中で1番とか2番とかという成績を取ってしまったんです。先生に呼び出されて「志望校を都立から難関校に変えた方がいいと思います」と言われました。でも、家族全員、難関女子私立中学御三家とか何のことだかまったく分からなくて、桜蔭、どこ？　という感じだったんです（笑）。

　父と母は娘の中学受験に熱心なタイプではなかったので、塾の先生に言われるままに勉強をしていたら桜蔭中学校に合格しました。実際、勉強はしんどかったと思いますが、塾がすごく楽しかった。みんなで頑張って乗り切れたというイメージがあります。「テレビを観てはダメ」くらいのことは親から言われていましたが、けっこうこっそり観てましたね。

　もう亡くなってしまったんですけれど、毎週行われる塾のテストでいい評点が出ると、おじいちゃんが評点に比例したお小遣いを毎週くれました。それがモチベーションを一番高くしてくれましたね（笑）。毎週6000円くらい。毎週ですから結構な金額になりました。成績が良ければ特別ボーナスをもらえたりして。お金は両親に預けていたので、その時に貯まった分は結婚した際、お祝い金と一緒に返ってきました。

（※1）東京都文京区本郷にある中高一貫の私立女子中・高校。中学入試では女子学院、雙葉とともに「女子御三家」と呼ばれている超難関校。2020年の東大合格者数は85人

＜後編に続く＞

（鄭 孝俊）