インタビュー

勉強嫌いだったタレント・ビビる大木的“肩の凝らない歴史を好きになる方法”

著者:中野 裕子

タグ: ,

歴史好きで知られる、ビビる大木さん【写真:荒川祐史】
歴史好きで知られる、ビビる大木さん【写真:荒川祐史】

 緊急事態宣言が再発出され、家で勉強する時間が増えている子どもたちもいる。勉強を見てあげたいが、「自分は勉強が苦手で、中でも歴史は大嫌い!」という親もいるだろう。歴史の面白さはどこにあるのか。どうすれば子どもたちに歴史好きになってもらえるのか。歴史の魅力や好きになる方法を、歴史好きで知られるお笑いタレントのビビる大木さん(46)に聞いた。

 ◇ ◇ ◇

“歴史好き”というか“幕末好き” 子どもの頃は興味がなかったのになぜ?

“歴史好き”というか、僕の場合は“幕末好き”なんですけどね。江戸幕府末期は西郷隆盛とか坂本龍馬とか歴史上の偉人たちがたくさんいて、激動の時代を生きて新しい明治という時代を作ったんだな、とか、どさくさに紛れていろんなことをやっていたんだな、とか史実を知っていくことが面白くて。史跡やお城をめぐったり資料館を訪ねたりするのが楽しいんですよ。

 鹿児島の資料館を訪ねた時、西郷隆盛と大久保利通の身長が同じぐらいだった、と意外な発見があって「へ~!」と思ったりしてね。机に向かって教科書を読むのとは違う楽しさがある。だから、実際に歴史的に意味のある場所に足を運んで、見て、歴史に触れると、それまで歴史に興味がなかった子どもでも、歴史の勉強に対する姿勢が変わるんじゃないですかね。

 僕が幕末に興味をもったきっかけは、2004年にNHKで放送された大河ドラマ「新選組!」を観てみようかな~、と思ったこと。ドラマ「古畑任三郎」(フジテレビ)や映画『ラヂオの時間』を手がけた劇作家・三谷幸喜さんが好きで、三谷の脚本だから楽しめるかな、という軽い気持ちでした。

 それで、三谷さんが手がける「新選組!」が放送されると発表された03年に京都へ旅行して、定番の観光地の渡月橋や清水寺の他、新選組の隊士のお墓がある壬生寺とか、近藤勇や土方歳三が寝泊まりしていた八木邸をめぐってみたんですね。すると、「すごいな!」という新鮮な感動がたくさんあって、翌年「新選組!」を観ながら「ああ、あそこか」と1年間毎週、楽しんで観ることができたんです。

 実は、それまで大河ドラマも時代劇も観たことがありませんでした。元々、僕は勉強も読書も嫌いで、歴史にもまったく興味がありませんでした。歴史の成績が良かった記憶もありません。

「こんな年号を暗記して何になるんだ」「何百年も過去のことより、今、現在のことを勉強した方がいいんじゃないの?」と思っていました。だから、テストの前に年号を無理やり覚えて、テストが終わったら忘れるっていう、よくいるタイプの“歴史が嫌いで苦手な子”でした。

 でも、高校1年の時、担任の先生と「歴史に興味がない」という話をしていて、「そうか、大木は自分の住んでいる国に昔、何があったのか、興味がないのか」と言われたんですよ。その時は「うん、興味ない」と思ったんですけど、先生の言葉が頭の片隅に引っかかっていたんでしょうね。

 それで、大人になって興味が出てきて、30歳手前になって三谷さんの大河ドラマをきっかけに、歴史に触れてみようかな、という気持ちにつながったんだと思います。大人がそういう言葉を押し付けじゃなく、軽く投げかけるだけでも、僕の場合のように子どもの心に残るかもしれません。

「新選組!」をきっかけに、歴史の本も読むようになったんですけど、最初の頃なんて「尊皇攘夷(そんのうじょうい)」という言葉さえ分かりませんでした。辞書を引いたり、パソコンで調べたりして、「あ~そういう意味か」と確認しながら読んでいました。せっかく買った本だから最後まで読もう、と思って。

 歴史の本って難しい漢字が多くて、今も読むのに時間がかかるんですけど、時間がかかっても別にいいわけですから。歴史が苦手な子どもたちも、そういう楽な気持ちで本を手に取ってみたらいいんじゃないでしょうか。ちなみに、僕は最初、子どもの頃にはほとんど読まなかった子ども用の偉人伝とか、初心者でも分かりそうな本もよく読んでいましたよ。