どうぶつ
ゴミ集積所で保護された子ねこの15年後…飼い主の愛を一身に受け美しい姉妹に成長
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ゴミ集積場から救われた小さな小さな命。2匹の名前は「カノン」ちゃんと「ミロク」ちゃんです。生後1日ほどで放棄されていた2匹は、心優しい飼い主さんに運良く保護され、美しく成長しました。美ねこ姉妹の成長記録をご紹介します。
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推定生後1日で放棄されていたミロクちゃんとカノンちゃん
飼い主さんがカノンちゃんとミロクちゃんを保護したのは、15年前のこと。仕事帰りに近所のゴミ集積所前を通ったところ、「ミーミー」と小さな鳴き声が聞こえてきました。気になって集積所の中をよく見てみると信じられない光景が。
何とビニールの手提げ袋に入れられたねこの赤ちゃん2匹が、床に放置されていたのです。飼い主さんは驚きつつもすぐにその袋を拾い上げ、自宅に連れ帰りました。
「翌日、動物病院へ連れて行くと、獣医の見立てでは生後1~2日とのことでした。4月25日に拾ったので、その日を2匹の誕生日にしました」
写真の通り、2匹は生まれたばかりで、まだ目も開いていない状態。飼い主さんは子ねこの飼育が初めてだったため、動物病院でミルクのあげ方や排泄のお手伝いの仕方などについて指導を受け、手探りで“子育て”を始めました。当初は哺乳瓶でミルクを上手に飲ませることができず、口の周りをミルクだらけにしてまったこともあったそうです。
「私は高齢者施設で介護の仕事をしており、当時は実家暮らしだったので、日勤の時は母に2匹の世話をお願いしていました。しかし、月に数回ある夜勤の日は『さすがに夜中の世話まで頼めない』と思い、仮眠休憩の2時間を使ってねこたちのお世話のために一度帰宅する生活。睡眠を削ってのお世話だったので大変でした」
こうして飼い主さん家族に見守られたカノンちゃんとミロクちゃんは、初めて目を開く瞬間を迎えます。愛らしい2匹の名前は実のところ、その顔がこの世のものとは思えないほどかわいかったことから考え抜き、観音菩薩と弥勒菩薩から取りました。また、子ねこの頃にはこんなエピソードも。
「歯が生えた頃、哺乳瓶の吸い口を噛んで穴が空いてしまいました。そこで、お皿にミルクを入れてみたら、上手にゴクゴクと飲み始めてくれて……。乳離れまで育て上げた安堵と手がかからなくなった喜びを感じると同時に、少し寂しい気持ちにもなりました」