どうぶつ
半年間は“顔出し”しない!? コアラの赤ちゃんに注目集まる 「個性的で面白い動物」
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さまざまな種類の動物を飼育・展示している動物園。SNSでの発信に力を入れている園も少なくありません。「埼玉県こども動物自然公園(@saitamazoo_tw)」(埼玉県東松山市)の公式ツイッターでは、国内では同園のみで暮らしているクオッカやキリンなどの様子をほぼ毎日配信しています。話題になっているのは、今春に生まれたばかりのコアラの赤ちゃん。広報担当者に話を伺いました。
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10月に初めて顔出し 4月生まれの赤ちゃん
母親のお腹の袋から顔を出しているのは、今年4月30日に生まれたコアラの赤ちゃん。まだ名前はありません。
「埼玉県こども動物自然公園」の広報担当者によると、1円玉ほどの大きさで生まれるコアラは、生後すぐに母親のお腹の袋に移動してしまいます。約半年間はその中で過ごすため、出産を確認した後も性別を判断できるまでには時間がかかるそうです。
「8月頃に母親のお腹の袋が膨らんできて、時折赤ちゃんが中で動いている様子が分かるようになりました。9月には袋から耳や顔の一部が出ていたこともあり、10月23日に顔を出しているところを初めて確認できました」
やっと姿を見せたコアラの赤ちゃんはメスということが判明。元気に育っている姿を全国に発信しようと、お腹の袋から顔を出している写真をツイッターに投稿しました。リプライ(返信)欄には「(兄の)ピリーに似ていますね」「笑っているみたい。元気に育ってね」などの感想が寄せられています。
父親は同園で生まれた「コタロウ」、母親は「ジンベラン」。ジンベランにとっては5頭目の赤ちゃんです。同園で飼育しているコアラの中で最年長だったコタロウは、7月に心不全を起因とした肺水腫により9歳で死亡しました。そのため、リプライの中には「ジンベランと亡くなったコタロウとの子が育っていることは夢のようです。本当に本当にうれしい」というコメントも。
赤ちゃんコアラはジンベランと一緒に展示されています。今では袋から出て、全身を見ることができる日もあるそうです。
2頭の赤ちゃんコアラが成長中
1980年5月に開園した同園。約46ヘクタールの広大な敷地の中には、180種類1700頭羽が飼育されています(2021年現在)。
コアラの飼育は1986年4月にスタート。埼玉県と姉妹都市連携を結んでいるオーストラリアのクイーンズランド州から、友好のシンボルとして2頭のオスを贈られたことがきっかけでした。翌年には3頭のメスも同州から受け入れ。その後に子どもが生まれ、現在は8頭が愛らしい姿を見せています。
同園では5月にもコアラの赤ちゃんが誕生。11月13日に顔を出しているところが確認され、こちらもメスと判明しました。母親に抱っこされて過ごすなど元気な姿を見せてくれています。
「足を伸ばしていたり、丸まっていたり、それぞれ寝姿が個性的で面白い動物です。エサのユーカリも好みがあり好きな葉しか食べないなど、観察しているとユニークな生態が分かります」
広報担当者はコアラの魅力をこう語ります。今年生まれた2頭をじっくり観察し続けるため、定期的に通うファンも増えそうですね。
入園料は大人(高校生以上)700円。小人(小・中学生)200円。開園は午前9時半から午後5時(入園は閉園の1時間前まで、1月31日までは午後4時半まで)。月曜日休園(祝日は開園)。2021年12月31日から2022年1月1日は休園。詳細は公式サイトで確認を。
(Hint-Pot編集部・西村 綾乃)