どうぶつ
国内初の繁殖に成功したスナネコの母 高貴な姿が話題に 4姉妹の現在は?
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3頭の妹とともに新しい嫁ぎ先へ
元気に育ったアミーラには、3頭の妹がいます。3頭は同園で7月9日に産まれました。
2度目の出産を経験したジャミールは1度目とは異なり、巣箱の中で2頭を抱えていたそう。しかし体が濡れたままだった1頭(のちの「ハディーヤ」)は、アミーラと同じ低体温症と脱水の症状が出ていたといいます。
危機を回避しようと1頭は引き離し、アミーラと同じように人工哺育で育成。3頭のメスはアラビア語で「日が昇るところ」を意味する「マシュリク」、「友達」の意味がある「サディーカ」、そして飼育員さんたちが育てたメスには「贈り物」を示す「ハディーヤ」という名が贈られました。
ツイッターでは、6頭の暮らしを写真などで投稿。大きな瞳や、子猫のような愛らしい姿から、アイドルのような人気を誇っています。
その中で4姉妹の母ジャミールの高貴な佇まいが評判に。「朝食後に満足そうな表情を見せていた」という1枚の写真には「かわいい、ママ」「こんな鳴き顔見たら会いたくなっちゃった」「遠吠えしてるみたいです」などのリプライ(返信)が寄せられました。
アフリカ北部から中央アジアにかけて生息するスナネコは、体長40~60センチ、体重2~3キロで同科では世界最小級。「砂漠の天使」という異名を持っています。砂漠下での暮らしに適応できるよう毛に覆われた肉球も特徴です。
見た目は家ネコのように見えるスナネコ。担当者は「家ネコと同じく香箱座りをします。鳴き声は『ニャー』ではなく『ギャウギャウ』と野性味あふれています。かわいい顔からの鳴き声のギャップがいい。小さい体でも立派な肉食獣です」とその魅力について教えてくれました。
長く親しまれてきた4姉妹でしたが、揃った展示は11月30日が最後でした。普及や繁殖のため、サディーカとマシュリクは「ネオパークオキナワ」(沖縄県)、ハディーヤは「長崎バイオパーク」(長崎県)にお引っ越し。アミーラは移送先が決まるまで、両親とともに同園での展示を続けるといいます。
飼育員の荒川友紀さんは「4頭にとっては新たな場所で繁殖に取り組んだり、魅了をしたり新しい始まりでもある。これからも4頭を応援してほしい」と話しています。
(Hint-Pot編集部・西村 綾乃)