どうぶつ
「おまじない?」 暖を取るミーアキャットの姿に大反響 園が語る“ゆるーい”魅力
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寒さに弱い動物たちのため、暖房用の器具などを設置している冬の動物園。風が冷たい日には、体を寄せ合うなど微笑ましい光景を見ることもできます。アフリカ南部が原産地のミーアキャットも、寒さに弱い動物の一種。そこで市川市動植物園(@ichikawa_zoo)は、電球で暖を取る様子の写真をツイッターで公開しました。1.7万件以上の“いいね”を集め、「絵画のよう」と注目されているこの投稿とミーアキャットについて、飼育員さんに話を伺いました。
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宗教画のような神々しさに大反響
電球の下にじっと佇んでいるのは2頭のミーアキャット。名前ではなく番号で区別している同園では、一方の頭の上に手を乗せている個体を「80番」、手を乗せられている個体を「92番」と呼んでいます。同園は1987年の開館時からミーアキャットを飼育しており、現在暮らしている10頭は2010年に迎えたペアから生まれた子どもたち。今回注目された2頭は姉妹です。
気温が下がり始めてからは、暖が取れるよう暖房設備(赤外線ランプなど)に気を使っているという同園。飼育員さんによると、撮影をした当日は天気が良くなかったそうです。
「お天気があまり良くなかったため日光浴ができず、気温も低かったために赤外線ランプの下に集まっていました。時間は午後2時頃です」
真っすぐ前を見つめる92番の頭の上に両手を置いた80番は、慈しむように電球を見つめています。飼育員さんが「何かのおまじないだろうか?」というメッセージを添えて写真を投稿すると「絵画みたいで素敵」「何かの絵画で見た気がする構図」などのリプライ(返信)が寄せられました。
壁に反射した明かりは、光と影を対比させた作品を多く残し「光の魔術師」と呼ばれたオランダの画家、レンブラント・ファン・レインが描いた作品のようにも見えますね。でも、飼育員さんが明かす撮影の舞台裏は、とても微笑ましいものです。
「画像を見ると手をかざして慈悲深く宗教的にも見えますが、実は単に立っているのに疲れて支えにしているだけです。ちなみに80番は集団でいるよりも個人行動が多い個体。よく一人で長時間、見張りをしています。そして92番は一番末っ子でまったく物怖じしません」
ヘリコプターが飛んで来ると全頭でお見送り!? 見ていて飽きない魅力
飼育員さんが語るミーアキャットの魅力は「メリハリがありますが総じてゆるーいところ」だそう。
「お腹を出して仰向けで昼寝してると思ったら、我々も見えないくらい遥か上空を飛ぶ、猛禽に気が付いて警戒したり。ヘリコプターが飛んで来た時は大騒ぎです。全頭で岩の上に登り、見えなくなるまで見送ります。『見送る必要性あるのか?』って思いますが。仕草がいちいち人間っぽく、見ていて飽きません」
1年を通じてミーアキャットを展示している同園では、いつでもその愛らしい姿を見学することができます。
「ミーアキャットは動物園では比較的、ポピュラーな動物かもしれませんが、その魅力をどこまで惹き出せているのかな? と思い、彼らの日常を紹介し続けています。こんなに面白い動物は、そうたくさんはいません。ぜひ遊びに来て」
寒い冬は一部の動物たちにとってもつらい季節ですが、冬ならではの姿も見せてくれます。人混みを離れてのんびりとした冬の動物園散歩も魅力的ですね。
(Hint-Pot編集部)