ぷっくりとしたお腹を揺らしてよちよち歩く姿が、子どもにも大人にも人気のペンギン。その赤ちゃんはつぶらな瞳とふわふわの羽に包まれていて、かわいらしさが増します。和歌山県にある「アドベンチャーワールド」では、10月に生まれたばかりのエンペラーペンギンを見ることができます。公式ツイッターでは、赤ちゃんペンギンと体重を量ろうとする飼育スタッフとの“攻防戦”を公開し話題になりました。エンペラーペンギンの特徴など、担当者にお話を伺いました。

　◇　◇　◇

すぐに逃げようとする生後3か月のエンペラーペンギンの赤ちゃん

　動物園、水族館、遊園地が一体となったテーマパーク「アドベンチャーワールド」（和歌山西牟婁郡白浜町）で、昨年10月1日にエンペラーペンギンの赤ちゃんが誕生しました。同園で生まれた赤ちゃんはこれが15羽目で、人の手で育てる「初期人工育雛」を行いながら親鳥たちによる「自然育雛」を目指して、飼育スタッフたちが懸命の支援を続けています。

　飼育スタッフがサポートしながら、すくすくと成長した赤ちゃん。今回、その成長を見るため飼育スタッフが赤ちゃんを体重計に乗せようとする動画がアドベンチャーワールド公式ツイッター（@aws_official）で公開され、両者のほのぼのとした“攻防戦”が話題を集めました。

　鉄製の体重計に乗せられた赤ちゃんはその場でじっとしていることができず、飼育スタッフの手が離れた瞬間に逃げようと降りてしまいます。それを何とか阻止しようとするスタッフ。再び体重計に戻された赤ちゃんは5秒ほど静止しますが、またすぐに降りようとします。スタッフはふわふわのお腹を抱えるようにして何とか戻しますが、赤ちゃんは「ぴゅるるる」と鳴き声を上げます。

　その後、体重計の上でおとなしく静止。30秒以上も我慢して、無事14.1キロと体重を量ることができました。

　この動画は37.8万件もの“いいね”を集め、動画の再生回数は何と818万回超え（12日時点）。「もふもふでかわいい」「ペンギンの赤ちゃんって思ったより大きい」「なかなか手ごわいペンちゃん」「飼育員さんお疲れ様」といったリプライ（返信）が寄せられました。

　それにしても、エンペラーペンギンの体重を量るのは赤ちゃんだから難しいのでしょうか。飼育スタッフによると「大人になってもじっとできない」のだそう。

「体重を量る時にしかペンギンの目の前に体重計を持っていかないため、ペンギンにとっては見慣れないものになります。見慣れないものを持っていくと、『何だこれー』といった感じでびっくりすることがあります」

　ふわふわ、もふもふした赤ちゃんの様子に癒やされた人も多いでしょうが、こんな感じでいるのもあとわずかなのだとか。担当者さんは、「生後3か月を過ぎた頃からふわふわの羽が抜け始め、硬くて水を弾き、泳ぐのに適した大人の羽へと徐々に生え変わります」と語ります。この赤ちゃんもすでに赤ちゃんの羽が抜け始めているそうです。

　同園には全部で8種、約450羽のペンギンが飼育されています。この赤ちゃんの公開は一時中止されていましたが、昨年12月13日から再び一般公開されています。愛らしい様子でまだまだファンを楽しませてくれそうです。

（Hint-Pot編集部）