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色鉛筆を駆使したイカの“絵” リアルすぎて24.6万人が錯覚 「本物にしか見えない」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・瀬谷 宏

どこから見ても本物にしか見えないリアルなイカの絵【写真提供:ARIA(@aririria_art)さん】
どこから見ても本物にしか見えないリアルなイカの絵【写真提供:ARIA(@aririria_art)さん】

 日本だけで100種類、世界では400種類以上が生息しているイカ。食用として広く流通しており、日本でも約30種類が食べられているそうです。新鮮なイカを調理しようと手で掴みかけたら「これ、絵じゃん」……そんなリアルすぎるイカの絵が大きな反響を呼んでいます。ツイッターに作品を投稿した作者のARIA(@aririria_art)さんに、制作過程や苦労話などを伺いました。

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7時間かけた力作 「絵」であることを証明した動画も好評

 ツヤツヤとした見た目と、いかにもヌルヌルしていそうな質感。もしそんなイカを机や床に置いていたら、周囲から「そんなところに置かないで!」と怒られてしまいそうです。

 今回話題を集めたのは、本物のイカではなくれっきとしたアート。作者のARIAさんが色鉛筆などを使い、7時間もかけて描いた力作です。そう言われてもまだ「実は本物では」と疑ってしまう人もいる出来栄え。そんな“疑惑”を払拭するために、ARIAさんは転がした鉛筆がイカの上を通過する動画も公開して「絵」であることを証明しています。

 ツイッター上で公開されたイカの絵には、24.6万を超える“いいね”が付きました。動画の再生回数も78万回を超え、4万の“いいね”が。リプライ(返信)には「写真じゃないんですか」「本物にしか見えない」「食卓に置いてたらうちの子たちは騙されそう」「リアルに表現できていてびっくり」といった驚きの声や、「センスの塊」「ものすごい才能」と技術への称賛が寄せられました。

8~10色の油性色鉛筆を駆使 イカの上部をあえて切り取って錯覚させる

細かいところを丁寧に仕上げていく【写真提供:ARIA(@aririria_art)さん】
細かいところを丁寧に仕上げていく【写真提供:ARIA(@aririria_art)さん】

 小学生の頃から絵が好きで、こうした立体写実画を5年前から描き始めたというARIAさん。始めたきっかけや画材などについて、お話を伺いました。

Q. こうした立体写実画を描き始めたきっかけを教えてください。
「YouTubeで海外のアーティストさんがリアルな絵を描いているのを発見し、自分も挑戦してみようと思って始めたんです。習い事の教室や美術大学などには行かず、描き方や塗り方などうまい方の絵を見て参考にしながら独学で試行錯誤をして身につけました」

Q. 使った画材を教えてください。
「『ファーバーカステル』(ドイツの筆記具メーカー)のポリクロモスと『カランダッシュ』(スイスの画材メーカー)のルミナンスという2種類の油性色鉛筆を使い分けています。色は8~10色くらい。色鉛筆以外にはコピック(日本製のアルコールマーカー)と白のポスターカラー、鉛筆を使用しました。紙はケント紙です」

Q. 制作過程と苦労した部分、こだわった部分を教えてください。
「鉛筆で下描きをした後、コピックで下塗りをしてから色鉛筆で細かい模様などを描き込み、明暗をはっきりさせて立体感を出していきます。苦労した点は、イカの細かい模様やぬめり感ですね。ひたすら細かい作業なので大変でした。こだわりはイカ上部の耳(エンペラ部分)をあえて切り取り、机の上に置いているように見える錯覚を表現した点です」

 ARIAさんはこれまでにもペットボトルや瓶のコーラ、ポテトチップスの袋といった身近なものを題材に、40~50点の作品を制作しています。今後は個展の開催を目標にしており、「今年は魚介類や昆虫などの生き物の絵画制作に力を入れていきたい」のだそう。素敵な作品の数々はインスタグラム(aririria_art)でも見ることができますよ。

(Hint-Pot編集部・瀬谷 宏)