話題
昭和30年代風に「インターネットやめろ」 当時のCMを思わせる動画に2.2万人驚愕
公開日: / 更新日:
「ネットで流行する動画も昭和30年代のCMと共通する部分があるのでは」
アニメーションに関する研究や文筆活動を行っているかねひささんは現在大学生。今回の作品は「あくまで趣味の一環」だそうですが、フリーの映像編集ソフト「AviUtl」を使って制作し、サウンドロゴも自分で作曲。音声合成ソフト「NEUTRINO」と音声ライブラリー「謡子」も駆使して完成させたそうです。動画内で使用したイラストも自作で、昭和30年代の雰囲気を完璧に再現しています。
「当時のCMは洗練されていない分、クリエイターの熱意や試行錯誤の跡がよりダイレクトに伝わってきます。インターネット上で流行する動画やテキストも、粗削りながらストレートな勢いと面白さを持つという点で、実はこの時期のCMと共通する部分があるのではないかと思いながら制作していました」
また、昭和30年代のCM自体にも大きな魅力を感じていると語ります。
「映画やドラマで懐古趣味的に懐かしまれることも多い時代ですが、当時の文献資料などを参照していると、『モーレツ』という流行語に代表されるように、雑多でどこか狂騒的な雰囲気が漂っているように思います。決して美しい時代ではありませんがどこか人を惹き付ける妖しさがあり、異質な魅力を感じます」
こうした古いCMやアニメーションに興味を抱いたきっかけは、幼少期に1930~40年代の米国製アニメーションに触れたことだったそうです。
「1930年代に米国で制作されたアニメーションには『絵が動く』ことそのものに対する原初的な悦びが詰まっており、今もなお多くのクリエイターや観客を楽しませる高いポテンシャルを持つ作品が多くあります。私は特にフライシャー・スタジオという1920~30年代を中心に活動したスタジオが制作した作品群が好きで、意表を突くアイデアや視覚的快楽に満ちたアニメーションからは当時まだ若かったクリエイターたちの情熱をひしひしと感じられます」
とはいえ、実のところかねひささんは何とまだ大学生。「今はまだ駆け出しの身」としながらも、アニメーションに関する研究や文筆の活動を積極的に行っています。
「今は編集作業のお手伝いやウェブメディアへの記事の寄稿などを中心にお仕事をいただいています。さまざまな形を通じて『アニメーションの面白さ』を人々に伝える活動ができればと考えています」
現代の視線で見る当時の魅力や個性。かねひささんの活動からは、過去から未来に続くアニメーションの可能性を感じるかもしれません。これからも懐かしさを感じさせる映像で多くの人の心をくすぐってくれそうですね。
(Hint-Pot編集部)