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パラ表彰台に立つ盲導犬 選手と一緒のポーズに世界が感動 「ワンちゃんにもメダルを」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ランプルさんとライリーくんとともに表彰台で歓喜の表情を見せるカリーナ・エドリンガー選手【写真:Getty Images】
ランプルさんとライリーくんとともに表彰台で歓喜の表情を見せるカリーナ・エドリンガー選手【写真:Getty Images】

 今月4日に開幕した北京パラリンピック。ここまで日本勢は村岡桃佳選手(トヨタ自動車)がアルペンスキーで3個の金メダルを獲得するなど、活躍を続けています。数多くのドラマが生まれる中で「Hint-Pot スポーツSNS調査隊」は今回、表彰式で生まれた感動シーンに注目。9日に行われたクロスカントリースキー女子スプリントフリーの表彰式で優勝した選手と一緒に表彰台の一番上に立った盲導犬が大きな話題を集めています。

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金メダルを獲得したオーストリア選手 苦楽をともにしてきた盲導犬も登壇

 障害の種類に応じてクラス分けをすることで、多くのアスリートにチャンスを与えているパラリンピック。クロスカントリースキーはロング(長距離)とミドル(中距離)、スプリント(短距離)の3種目があり、それぞれ立位と座位、視覚障害の3つに分かれて競技が行われています。

 その中のスプリントフリー(視覚障害)で金メダルに輝いたのは、オーストリアのカリーナ・エドリンガー選手。完全な視覚障害の競技では、競技者の前を滑る「ガイド」がヘッドセットを通じて指示を送るという重要な役割を担います。そのため、表彰台ではガイドのローレンス・ジョセフ・ランプルさんと喜びを分かち合いました。

ガッツポーズのエドリンガー選手とガイドのランプルさん【写真:Getty Images】
ガッツポーズのエドリンガー選手とガイドのランプルさん【写真:Getty Images】

 栄光を掴んだのはエドリンガー選手とランプルさんだけではありません。表彰台にはエドリンガー選手と苦楽をともにしてきた盲導犬のライリーくんも登壇。最初は普段通りに大人しくおすわりをしていますが、エドリンガー選手の興奮が伝わっているのか、よく見ると周囲をきょろきょろと見ています。

 そして名前がアナウンスされ、エドリンガー選手とランプルさんはジャンプで喜びを表現。するとライリーくんも驚いたように立ち上がり、尻尾を振り始めました。運ばれてきた金メダルにも興味津々。立ち上がろうとするのをエドリンガー選手に“制止”されますが、エドリンガー選手とランプルさんがメダルをかけあう時はきちんとお座り。そして最後はメダリストたちの集合写真にも中央で収まり、エドリンガー選手に抱えられながら誇らしげにポーズをとっていました。

 北京パラリンピック公式ツイッターはこの時の映像を公開。「表彰台にワンちゃんが! カリーナ・エドリンガーがパラクロスカントリーの金メダルを盲導犬のライリーと表彰台で喜びを分かち合う」との文章を添えました。リプライ(返信)には「ライリーも幸せそう」「ワンちゃんにもメダルをあげて」といった温かいメッセージも寄せられています。

 多くの支えがあって金メダルを手にしたエドリンガー選手。競技人生中で最も興奮した1日になったのは間違いないでしょうが、盲導犬のライリーくんにとっても忘れられない思い出になったでしょう。

(Hint-Pot編集部)