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「日本の技術や歴史は優れている」 カナダ人記者が驚いた“交通案内手段”に大反響
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24日夜に開会式が行われる予定の東京2020パラリンピック競技大会。「Hint-Pot スポーツSNS調査隊」では、注目が高まるスポーツ界からSNSで反響を集めた話題やこの機会に知ってほしい選手、ちょっとほっこりするネタなどをお届けします。今回は視覚障害者の移動をサポートする「点字ブロック」について。カナダから熱視線が向けられています。
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1967年、岡山県で世界初の点字ブロックを敷設
カナダ公共放送CBCで五輪リポーターを務めるデビン・ハーロウ氏は、東京五輪・パラリンピック取材のため東京に長期滞在中。18日に関東一帯で出現した虹や東京湾の夜景、コンビニ飯のディナーなど、東京の景色や日本の素晴らしさをSNSで発信して度々話題になっています。
このほどハーロウ氏が注目したのは、視覚障害者を安全に誘導するため敷設されている「点字ブロック」。日本では見慣れた光景です。
同氏は「東京の地下鉄の駅には、鳥の鳴き声とともに、視覚障害者が操作しやすいように、このような点字ブロックが設置されています。黄色いレンガの道を進んでください」とメッセージを添え、写真を投稿しました。
社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合の公式ウェブサイトによると、点字ブロックの正式名称は「視覚障害者誘導用ブロック」。1967年3月、岡山県の国道250号原尾島交差点周辺(現:岡山県岡山市中区)に敷設されたものが世界第一号となり、その後はさまざまな形状のブロックが製造されました。
ところが、視覚障害者から「規格を統一してほしい」との要望が。そこで2001年、日本工業規格(JIS)は点字ブロックの規格を定めました。そして2012年には、JISを基に国際規格も定められ、多くの国が取り入れるように。つまり、点字ブロックは日本で独自の進化を遂げ、世界に波及していったのです。
どうやらカナダでは点字ブロックがあまり一般的ではないようで、ハーロウ氏が画像とともに紹介すると、多くの驚きの声が。「わお! 日本の技術や歴史は優れていますね」「なぜカナダにはないのだろうと思っていました。でも、除雪をしなければならないので、うまくいかないかもしれませんね」「日本の交通システムは非常に進んでいるので、今後の参考にしたいと思います」などのコメントが寄せられています。
また、「鳥のさえずりや点字ブロックに代わる物は、海外にはないのかな……? 普段写真をとらないところを気にしてくれて何だかうれしいです」「レポートをありがとう」など、感謝を伝える日本人のメッセージも見られました。
ハーロウ氏の投稿通り、日本には点字ブロックの他にも、視覚障害者を誘導するための音声や音響案内も多数存在します。街角の見慣れた風景の中にも、思いやりが詰まっていることに気付かされますね。
点字ブロックは視覚障害者にとっての“命綱”とも言われています。「譲り合いの精神」を忘れず、上に物を置いたり、むやみに立ち止まったりしないよう注意しましょう。
(Hint-Pot編集部)