からだ・美容
加齢でほうれい線が目立つ理由は? マスク下でゆるんだ顔 対策は1日1回の簡単筋トレ
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教えてくれた人:辻 晋作
マスクは感染対策に欠かせないアイテムですが、美容の面では多くの女性を悩ませているようです。顔の半分が隠れるためメイクが楽になった反面、じっくりと鏡を見て「老けたかも!?」とドキッとする瞬間も。「気になっているけれど、正解がどうも分からない……」という健康や美容の疑問を、辻晋作医師が医学博士の視点から解説する連載の第3回。今回は、長引くマスク生活による顔のたるみと肌荒れの問題です。まだまだ続きそうなマスク生活の中、この2つを少しでも食い止められる対策について教えていただきました。
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加齢とともに口元が痩せてほうれい線が目立ちやすくなる
マスクを外した時に気になるのは、ほうれい線ではないでしょうか。小鼻から口角の外側に伸びる線のことですが、これはいわゆるシワとは異なります。
子どもでも笑うとくっきりとこの部分に線が見えますよね。頬と口周りの筋肉のつなぎ目にあたりますので、誰でも口角を上げると見えるはず。頬の筋肉の方がふっくらとしているので、高低差で線が目立つというわけです。
では、年齢を重ねるとなぜ普段から目立つのでしょう。その原因の一つは、口元が痩せてくること。顔の中でよく動かすのは口ですよね。長年動かしていれば、自然と脂肪がなくなってほっそりします。一方で、痩せてくる頬もコラーゲンの減少でハリが失われ、たるみにつながります。
筋肉のつなぎ目であるほうれい線の上にはたるんだ頬が、下には痩せた口元があるため、両者の段差が広がって影が濃く見えるようになるのです。
コロナ禍で顔の表情筋にも衰えが 対策は口を大きく開くこと
マスク生活では若い人でもほうれい線が目立つようになったといわれています。これは加齢によるたるみではなく、運動不足による筋肉の衰えが原因です。
コロナ禍ではマスク着用時でも飛沫を避けるため、仕事とプライベートの両方で会話を控えるようになりました。外出の機会も減りましたので、一人暮らしなら一日中誰とも話さずに終わる日もあるでしょう。また、目元しか見えないので表情を作ることも減ったのではないでしょうか。
このように、顔の筋肉を動かす機会はコロナ禍前よりも激減しています。顔にも表情筋といわれる筋肉がありますので、腕や足と同じように動かさなければ衰えていくのです。すると、頬がたるんでほうれい線が目立つようになります。フェイスラインがゆるんだようになる人もいるでしょう。
そのため、顔のたるみやほうれい線に必要な対策は表情筋を動かすことです。マスクを外し、「あ・い・う・え・お」と口を大きくゆっくりと開けましょう。ニコッと口角をあげるのもいいですね。頬をしっかりと動かすことを意識してください。
お風呂に入りながらでもいいですし、スキンケアをする時でも良いでしょう。30秒から1分くらいで大丈夫。1日1回の筋トレがたるみ対策になります。