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からだ・美容

加齢でほうれい線が目立つ理由は? マスク下でゆるんだ顔 対策は1日1回の簡単筋トレ

公開日:  /  更新日:

著者:岩淵 美樹

教えてくれた人:辻 晋作

「マスクで肌も乾燥しない」は勘違い 肌がふやけて乾燥しやすくなっている

 マスクの下では、たるみ以外に肌荒れも起きやすくなっています。というのも、マスクを長時間着用すると、その内側は吐く息で湿度が高くなり蒸れた状態になっているからです。「蒸れているなら潤っているのでは?」と思われる方もいますが、高温多湿は肌に良い環境とはいえません。

 指につけた絆創膏をはがすと、皮膚がふやけて白くなっている時があります。あの状態がマスク内側の皮膚にも起こっているとイメージしていただければ分かりやすいでしょう。

 ふやけた皮膚は角層が崩れるので、バリア機能が低下し乾燥しやすい状態です。外部刺激を受けやすくなっている肌に口腔内の雑菌がつくと、刺激になって“悪さ”をします。さらにマスクが触れることで摩擦も起きますので、口元や頬の肌荒れが起こりやすいのです。また、マスクの端が頬の高い部分に当たりますので、こすれてシミができやすくなります。

 肌のバリア機能を保つためには、前回もお話ししたように保湿ケアが大切です。夜はワセリンを塗って肌を守ってあげましょう。ただし、肌荒れがなかなか治まらない時は、早めに皮膚科を受診してください。

 肌が弱い、乾燥しやすいという方は、マスク選びにも気を付けてください。感染対策と肌ケアを両立させるには、コットン製やシルク製マスクの上から不織布マスクをすると良いでしょう。摩擦がやわらぎ、肌トラブルも起こりにくくなります。

 まだしばらくはマスクが手放せない生活になりそうです。これから暑くなる季節を迎え、ますます蒸れが気になります。シーンに合わせてマスクを上手に使い分け、お肌のコンディションに気を配っておきましょう。

(岩淵 美樹)

辻 晋作(つじ・しんさく)

1974年1月17日生まれ。東京大学医学部卒。帝京大医学部形成外科、埼玉医科大形成外科、東京女子医科大非常勤講師として勤務しながら、28歳で美容医療の「アヴェニュークリニック」開業。42歳で再生医療専門の「アヴェニューセルクリニック」開業。医学博士、日本専門医機構認定形成外科専門医、日本再生医療学会再生医療認定医、「アヴェニューセルクリニック」再生医療統括医師。著書に「あなたを救う培養幹細胞治療」(集英社インターナショナル刊)、「靴の中に入れるだけ2Gかかとインソール」(主婦の友インフォス刊)、「ひざ痛は治る」(秀和システム刊)がある。