話題
誰もいないネモフィラの花畑 苦労の末に撮影した写真が大反響 「努力がよく分かる」
公開日: / 更新日:
澄んだブルーの花びらが鮮やかな「ネモフィラ」。4月中旬から5月上旬が見頃ということで、まさに今、日本各地で多くの人たちの目を楽しませています。丘一面に咲き誇る光景は写真愛好家にとって絶好の撮影スポットでもあり、SNS上には美しいネモフィラの写真がズラリ。中でも、北関東エリア最大級のネモフィラ花畑を有する「国営ひたち海浜公園」(茨城県ひたちなか市)で撮影された絶景写真が反響を呼んでいます。美しさに目が行きがちな一枚ですが、実はかなりの熱意が込められているようで……。撮影者のてらぬ~(@teranu_photo)さんにお話を伺いました。
◇ ◇ ◇
日本最大級とされる「国営ひたち海浜公園」のネモフィラ花畑
北アフリカが原産のネモフィラは、秋に種を蒔き、春に2センチ前後の青い花を咲かせる1年草。細かい切れ込みのある葉を持つため、その姿を唐草模様になぞらえて、和名では「瑠璃唐草(ルリカラクサ)」とも呼ばれます。また、英名は「ベビーブルーアイズ」です。
そんなネモフィラの名所として知られるのが国営ひたち海浜公園。450万本以上のネモフィラが咲き誇る様子は日本最大級とされています。また、同園内の「みはらしの丘」は公園があるひたちなか市で最も標高が高く、ここから見る風景は“圧巻”の一言。毎年4月から5月にかけては各種イベントも開催され、多くの観光客でにぎわいを見せています。
天気が良ければ、水色の絨毯のようなネモフィラ花畑と青空が、地上を境にリフレクション(反射)したような光景が広がることも。そのため、写真愛好家にとってもこの時期は絶景が撮影できる大きなチャンスです。てらぬ~さんも愛機であるパナソニックのフルサイズミラーレスカメラ「LUMIX S5」を手に、同園に足を運びました。また、この時のレンズは「SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art」だったそうです。
訪れたのは好天に恵まれた4月22日。午前9時に撮影を開始し、丘一面に広がるネモフィラ花畑と、青空に浮かぶ白い雲のコントラストが絶妙な一枚を撮影することができました。撮影後には、雲のディテールを出して立体感を出す処理を施しています。
そして「この時期しか見られない茨城県の青い絶景を知っていますか?」とのメッセージを添えてツイッターに投稿。9000件近い“いいね”を集めました。
リプライ(返信)には「すごいきれい」「いい景色ですね」「素敵すぎます」「こんな青いところ日本にあるんだ」といった称賛の声が多数。しかし、それ以上に目立っているのが「人が誰もいない」「人が多いイメージがあったのに」といった声です。
会心の一枚を狙うために“開門ダッシュ”
この「誰もいない」ことが今回の撮影における最大のポイント。てらぬ~さんによると、撮影にかなりの苦労があったそうです。
「ネモフィラの青さと空を合わせて撮りたかったので、天気の状況を見て最適なタイミングを狙いました。人が写っていないのは、開園3時間前から待機して、撮影場所に最も早く到着したからです」
開園と同時にてらぬ~さんは撮影現場まで猛ダッシュ。みはらしの丘に最短距離で行ける門で待機し、少ないチャンスをモノにしました。この苦労は多くの方に理解されているようで、リプライには「開門ダッシュ、お疲れさまです」「誰も写っていないあたり、てらぬ~さんの努力がよく分かります」といったねぎらいの声も寄せられています。
ちなみにこの写真を撮影した直後、みはらしの丘には大勢の人が詰めかけたそう。てらぬ~さんは「数分しか見られない絶景ですね。結局最後に信じられるのは自分の体」とも語っています。ちなみに、趣味として写真を始めた時は「軽い気持ち」だったそうです。
「何か趣味を始めたいな、という軽い気持ちで始めました。カメラ歴は4年程度です。普段は茨城県を中心に朝の海や自然を撮っています。茨城県は(毎年ブランド総合研究所が発表している)『魅力度ランキング』で下位になりますが、ひたち海浜公園や大洗の神磯の鳥居をはじめ、フォトジェニックな場所が数多くある県だと思っています」
最近はネモフィラの写真以外にも「濃密な花畑」や「太陽光が通る鳥居」といった神秘的な写真も発表しているてらぬ~さん。今後も「珍しい気象条件下(雷や雪)での撮影にチャレンジしたいです」と意欲的です。これからも多くの人を感動させる作品を生み出してくれるでしょう。
※施設内を走る行為は事故を招く危険もあります。施設のルールに従い、安全に配慮した撮影をお願いします。
※記事内容を一部修正しました。
(Hint-Pot編集部)