春の陽気に包まれた姿だけでなく、夜間のライトアップされた様子もまた違った風情が感じられる桜。今年も多くの桜の写真がSNS上をにぎわせています。今回ご紹介する「桜銀河」と題された一枚は、鮮やかに照らされた桜並木と満点の星空の一体感が実にドラマチックで見事。撮影者のたけたろ | Ryotaro Takeshima（@_take_taro_）さんに、撮影時のこだわりなど詳しいお話を伺いました。

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3つの条件にこだわった場所で撮影　編集も施し見事な一枚に

　まばゆい明かりに照らされた川沿いの桜並木と、天の川も見えるほど満点の星空。何とも幻想的な一枚は2019年4月、たけたろさんが奈良県吉野郡の下北山村で撮影しました。

　当初のたけたろさんは「天の川をメインで撮影したかった」そうです。光害（光による悪影響）が少なく開けた場所にこだわりつつ、季節ものの桜もたくさん写真に取り込みたいと、これら3つの条件が揃う場所をリサーチ。その結果、たどり着いたのが下北山村でした。

　現地に到着すると、桜が画角いっぱいに入り込み、空いているスペースに天の川がきれいに収まるよう構図を微調整。愛機の「Canon EOS 6D mark II SIGMA 14mm F1.8 Art」でシャッターを切りました。

「（撮影時に）意識したのは、天の川が撮れる設定を確保しつつ、できるだけ地上を白飛び（写真の適正露出を超え、明るくなりすぎてしまい絵が白くなる状態）させないよう暗く撮ること。それでも白飛びはしてしまうので、あえてそれを生かして全体を明るく仕上げました！」

　たけたろさんによると、桜を照らしていた明かりは白ではなくオレンジ色だったそう。ただ、撮影した写真に何も手を加えなければ桜は赤っぽい色に写ってしまうため、編集作業を施すことに。桜の白さを表現するためにホワイトバランスや色相、彩度を調整したといいます。そうして、今回の圧倒的なクオリティを誇る一枚を完成させました。

　たけたろさんが先日、「桜銀河」というタイトルとともにこの一枚をツイッター上で公開すると、1.4万件もの“いいね”が。リプライ（返信）には、「何てきれい……」「絶景です」「何ちゅー美しい光景じゃ」「粋だね」など、称賛のコメントが殺到しています。