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乳がん治療は「選択と決断の連続」 38歳で罹患した女性が現在の病院を選んだ理由とは
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私が今の病院を選んだ理由
私の場合、乳がんだと分かった時点で「胸を残したい」という希望はほとんどありませんでした。後の検査結果で「部分切除でもいけなくもない……」という選択肢が提示された時、初めて少し迷ったくらいです。
手術にもさほど抵抗はなく、手術以外の最先端医療についても一応少し調べましたが、その時点のしこりの大きさにより、条件に当てはまっていませんでした。
そのため、重視したのは「不足ない治療を受けられること(がん診療連携拠点病院、専門医がいる)」と「心身に負担のない通いやすさ」。候補リストの中では2択になります。1軒はウェブサイトでブレストセンター(乳がんなどに特化した診療施設)を大きく打ち出している病院、もう1軒は規模こそ前者ほどではないが地域密着型で、自宅から自転車で10分以内、徒歩でも30分弱でいける病院です。
結果、私は後者を選びました。徒歩や自転車で行けば良い運動になるし、「病院に行く!」とかしこまらず、気軽に行けるのではないかと思ったからです。
もう一つ、最後の決め手は「直感」でした。前者の病院も、電車で数駅なので決して遠いわけではありません。ただそこは、母が入院、治療していた病院で、最期を迎えたところ。一方で後者の病院は、親戚が治療を終えてその後も元気に過ごしていたところでした。
病状そのものが違うので比較の対象にはならないものの、自分の中でポジティブなイメージを抱いた直感は大事して良いのかもしれない……そう思って、今の病院に決めました。
自分が納得する=自分の判断を信じること
そうは言っても、ある日急に乳がんの診断を受けて、いろいろな要素を冷静に判断するのはとても難しいことです。そのため、「胸を残したい」「通院の負担は最低限にしたい」など自分が真っ先に感じたことを、いったんは最優先にして選んで良いのではないかと思います。
病院の雰囲気や担当医師の人柄なども、実際に行ってみなければ分かりません。検査を進める中で違和感を覚えたり、他の意見を聞いてみたくなったりした時には、自分が納得するために積極的にセカンドオピニオンを取って良いと思います。
最初に行った病院に決めなければいけないわけでもありません。本当にこれでいいのか心配、不安でいろいろな意見を聞きたい、少しでもいい治療を受けたい、安心して任せられる先生に出会いたい……というのは、患者として当然の思いです。
私は今の病院に行ってみて、看護師を含めた受付や検査室など各部署の対応や、病院の雰囲気、イメージがとても良くて安心できました。大学病院“あるある”といわれる待ち時間もあまりない上、各科の連携も良く、いろいろなことがスムーズです。
そして一番は、医師の対応や診断内容に私自身が納得して「このまま治療に進んでいこう」と思えたこと。そのためセカンドオピニオンは取らず、最初に決めたその病院で治療を続けています。
「自分が納得できるかどうか」はこれからの決断にも必要になるのですが、決断を迫られる度にその厳しさと難しさを痛感します。ただ、「自分が納得できる」ことは「自分の判断を信じること」とイコールではないか……と考え、一歩ずつ進んでいる日々です。
(島田 みゆ)
島田 みゆ(しまだ・みゆ)
1983年生まれ。社会人教育関係の会社で企画編集として11年勤めたのち、旅や食分野のライター、ヨガ講師、海外ツアーコンダクターの複業フリーランスに。コロナ禍で旅行の仕事が休業状態になり、好きな旅行ができないのであればと2022年からの海外生活を見据えていた矢先、38歳で乳がんが判明。3月に右胸全摘出手術を終え、現在も治療を続けながら、自身の経験を踏まえて多くの女性の心と体を健康に役立つ発信・活動をしたいと考えている。
ツイッター:@myuu_works
note:島田みゆ | 取材ライター×ヨガ講師×海外ツアコン