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生理前の1週間、私は別の私に変わる…PMDDに悩む33歳女性の悲痛な叫び 「誰でもいいから人生を代わってほしい」

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

生理前のイライラ… 深刻な疾患の場合も(写真はイメージ)【写真:写真AC】
生理前のイライラ… 深刻な疾患の場合も(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 PMS(Premenstrual Syndrome)とは「月経前症候群」のことで、生理前に起こる身体的・精神的不調を言います。月経のある女性の7割以上の人に症状があるとされ、その認知度は上がりつつあります。その一方で、あまりよく知られていないのが「PMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder)」または「月経前不快気分障害」と呼ばれる疾患です。月経前は日常生活に影響を及ぼすほど精神的に不安定な状態になり、抗うつ剤といった精神療法が必要となることもある深刻な症状が発現します。しかし、その症状は月経が開始すると軽快もしくは消えるためか、あまり広く知られてはいません。そんなPMDDの影響で、転職を繰り返したという女性に話を聞きました。

 ◇ ◇ ◇

大学に入った頃から生理前にイライラするように 結婚後は夫に当たってしまう日々

 都内の一流高校、一流大学を卒業したのち、大手有名企業に就職した富田ゆかりさん(仮名・33歳)。結婚は27歳の時で、ご主人とは社内恋愛だったといいます。現在は、自分のペースを大切にし、パートタイムで働くというゆかりさん。傍目からは、とても順風満帆な人生のように感じますが、ゆかりさん自身は「誰でもいいから、今すぐにでも人生を変わってほしい」と訴えます。

「生理の1週間くらい前がピークなのですが、もう、夫の顔を見るのも嫌なくらい、誰に対してもイライラ、ピリピリしてしまうんです」

 生理が始まったのは中学1年生の時。高校時代まではそれほどひどい症状はなく、ちょっと生理痛が重いかな……くらいだったというゆかりさん。大学に入学した頃から、生理前になるとイライラするようになり「PMSでは?」と、自分でも疑うようになっていたといいます。

「母親も生理が重くPMS気味だったんですが、その体質を私も受け継いでしまったのでしょうか……。年々症状がひどくなってきて、昨年受診した婦人科の先生からは『PMDDだろう』と言われました。PMSは知っていたのですが、PMDDって何? って思いましたね。PMSより重い症状のことを言うんですけど、私は全然知りませんでした」

 夜になっても眠れず、横でぐっすり寝ているご主人のことがたまらなく憎らしくなり、枕やスリッパをぶつけて叩き起こしてしまったこともあるようです。またある時は、ごはんを食べている途中で突然イライラが募り、カッとなって食卓に並べていた煮物などのお惣菜を皿ごとゴミ箱に捨ててしまう。そして会社でもイライラが止まらず、後輩に当たり散らしてしまう。とにかく、少しでも自分の思う通りに行かないことがあると、誰彼問わず、文句を言わずにいられなくなる――。

 ゆかりさんの症状は、聞いているだけでも不安になるようなものばかりでした。

「自分が悪いことは、頭の中では理解できているんです。でも、それが気持ちに追い付かない。どうしても、気分の方が先に立って、ひどく罵ったり、暴言を吐いたりしてしまうんです。実は、このせいで会社の後輩が次々に辞めてしまい、人事からチクチクと攻撃され、2年前に私自身が退社を余儀なくされてしまいました。その後も何社か正社員で就職したのですが、毎月生理前になると自分を抑えられなくなるので、同じことの繰り返しで……」