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日本の地名に多い「橋」の意外な由来 東京の「田端」と共通点も なぜ“ハシ”と読む?

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:日本地名研究所

全国各地に見られる橋(写真はイメージ)【写真:写真AC】
全国各地に見られる橋(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 地名の由来を深掘りする新企画「Hint-Pot 地名探検隊」。40年以上も地名研究を続けている日本地名研究所(神奈川県川崎市)にご協力いただき、今回は「橋」がつく地名をクローズアップします。自然豊かな日本には多くの川が流れており、そこにかかる橋もさまざま。「橋」の地名には一体どんな意味が込められているのでしょう。

 ◇ ◇ ◇

物を運ぶ場所に使われた「橋」の字 同義語には「端」「階」「畑」など

 そもそも橋を「ハシ」と呼ぶのは、橋の両側が「端(ハシ)」であることに由来します。昔は橋のたもとでは「市」が開かれ、荷物の揚げ下げが行われてにぎわいを見せました。「橋場」という地名が各地にあるのもその証拠。また「橋本」にも同じ意味があります。

「ハシ」には「A地点からB地点に物を運ぶ」という意味もあります。食事に使う「箸」、鳥の「嘴(くちばし)」などを「ハシ」と呼ぶのも同義です。橋も人や荷物を対岸に運ぶわけですから「ハシ」の意味は合致します。

 下から上に移動するのも「ハシ」が使われ、「梯」や「階」の字があてられます。石工の碑文などに「石階」という文字を見つけたことはありませんか? これは石段のことで、「石のはしご」というなかなか洒落た表現です。

「端」は「ハ」や「ハタ」とも読みます。東京都北区にある「田端」は荒川によって削られた地形からきた地名で、武蔵野台地の端を意味しています。「タバタ」の「タ」には「田」の字があてられていますが、本来は使われる字は場所を表す「処(タ)」。「田」と書いたのは略字としての場合が多かったようです。

「畑」は「ハタ」のあて字によく使われますが、これも「ハタケ」ではなく“端”の意味が本意です。「幡多」「波多」などといったあて字も。また、神奈川県三浦郡の「葉山町」や岡山県高梁市成羽町の「羽山」も、元々は「端」の字が使われた「端山」が由来とされています。

「戸」や「津」も場所を意味する地名

 場所を表す他の言葉には「ト」もありますね。「木戸」と書くと扉や門を想像しますが、こうした“場所”に重要な意味があります。また「登戸」という地名は川を渡って高みに登るところからついたもの。神奈川県川崎市や埼玉県鴻巣市、越谷市、千葉県千葉市などに「ノボリト」「ノブト」と呼ばれる地名があります。

 東京の隅田川沿いには「花川戸」「今戸」という地名がありますが、以前は「花川津」「今津」と書いて、それぞれ「ハナカワド」「イマド」と読んでいました。しかし次第に「津」を「ト」と呼ぶ人が減ったため「戸」の字をあてるようになり、現在に至っています。ただし、静岡県沼津市の「三津」は現在も「ミト」。また茨城県の「水戸」は“港としての性格を持つ場所”を意味します。

「ツ」も場所を意味する言葉で、港や河岸の荷作業の場として発展した場所を指します。三重県津市はかつて「安濃津(あのつ)」と呼ばれ、伊勢神宮に近く、伊勢平氏の水軍根拠地や対明貿易(日明貿易)の港として日本三津の一つに数えられました。津市への改称は、明治時代の1888年に公布された市制・町村制によるものです。

(Hint-Pot編集部)

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