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からだ・美容

乳がんの精密検査は“初めての感覚”がいっぱい 38歳で右胸を全摘した女性が語るリアル

公開日:  /  更新日:

著者:島田 みゆ

乳がんが判明すると次は精密検査。リラックスして臨むことが大切(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
乳がんが判明すると次は精密検査。リラックスして臨むことが大切(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

 ライター、ヨガ講師、海外ツアーコンダクターなど、複業フリーランスとして忙しくしていた38歳の島田みゆさん。今年2月に乳がんが判明し、3月末には右胸の全摘手術を受け、現在は薬物療法中です。それまで健康そのものだったという島田さんにとって、罹患はまさかの出来事でした。そんな実体験を通して、同世代の女性に乳がんのことを知ってほしいという思いで綴るこの連載。第6回はがん判明後に受けた精密検査の詳細についてです。(監修:みやびクリニック院長 日本乳癌学会乳腺認定医 矢加部文医師 ※本記事は調べた情報や担当医の話などを基に筆者が執筆した内容を、専門医が改めて監修したものです)

 ◇ ◇ ◇

紹介先の大学病院で初めての外来へ そこで再会した叔母に感謝

 2月上旬、クリニックで生検結果が悪性=がんであると分かった5日後、予約した紹介先の大学病院に向かいました。この日は先に電話で話していた叔母が付き添ってくれることになっていたので、病院の受付で約3年ぶりの再会。診察までの間、改めてこれまでの経過などを話しながら過ごしていました。

 病院の待ち時間は、やはりいいものではありません。1人だったらいろいろと考えてしまうし、呼ばれるまで緊張しっぱなしで何ともいえない時間を過ごしていたと思います。誰かがいて話ができると、気が紛れて待つ時間も気にならないもの。初回に叔母がいてくれたことは本当に助かりました。

 しばらくして番号が呼ばれ診察室に入ると、声がとてもよく通る明るい女医の方がいました。この方が私の主治医です。まずはクリニックの検査結果を踏まえた現状と、これからの検査についての説明が始まりました。

○現時点での私のしこりは2.3センチほど
○乳がんで転移しやすいのは「肺、肝臓、骨」。転移がないか、また病変の広がりを調べるためにCT、骨シンチグラフィ、MRIの検査を行う
○検査結果を踏まえて、手術後は薬物治療または放射線治療の流れになる
○最終的な薬物治療の方針、ステージ(進行具合)は、すべて手術後の病理結果で決まる

「検査の予約を取るにあたって、お仕事の予定など……」との気遣いもありましたが、私は「いつでもどこでもいいです! 最短でできる日で!」と、ここぞとばかりにフリーランスの強みを発揮。すべて違う日程でしたが予約を済ませてもらい、その日は採血のみで病院を後にしました。次回の外来は約10日後です。

機械音が鳴り響く「造影MRI」 特に痛みなどもなく終了

 まずは、病変の大きさや広がりを確認するための乳腺MRIから。予約は14時半だったので、ランチのみ抜き。水分の制限はありませんでした。検査着に着替えて検査室に入ると「狭いところは大丈夫ですか?」などと確認されてから、造影剤の注射です。

 ちょうど胸の部分が大きな穴のようになっている台でうつ伏せになり、撮影が始まります。「大きな音が鳴るので」とヘッドホンをはめられ、「気分が悪くなったりした時のために」とナースコールのようなボタンを握らされると、後はもうされるがままです。

 台が動いてトンネルのような中に入っていくと、何ともいえない「ドンドンドンドン」「ゴォォォ」といった機械音が鳴り響きます。「きっとヘッドホンを外したらすごい音なんだろうなぁ」と思いつつも、うつ伏せなので何がどうなっているかはさっぱり分からず、ただひたすら耐えること約30分。なかなか長く感じましたが、特に痛みなどもなく終了しました。この日の検査費用は約7800円です。

体が熱くなる不思議な感覚「造影CT」 撮影時間は約15分

 次は造影CTです。この日は朝9時半からの検査だったので、朝起きてからは食事や水分を摂らないようにと指示を受けました。

 造影MRIと同じく検査着に着替えて検査室に入ると、造影剤の点滴です。「体が熱くなりますからね」と言われ「そうなのか……」と思ってしばらくすると、体がボワッと熱くなってきました。体の内側だけがじわじわ熱くなるという、何とも不思議な感覚です。

 特に目をつぶるようには言われませんが、習性で何となく閉じてしまいます。撮影は仰向けで寝たまま。通常のレントゲンよりも仰々しい機械に造影剤を追加した、といった違いでしょうか。こちらは15分ほどで終了し、検査費用は約5500円でした。