からだ・美容
マンモと超音波、針生検…乳がん検査の実際は 右胸を全摘した38歳女性の体験記
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今年2月、乳がんが判明した38歳の島田みゆさん。3月末に右胸の全摘手術を受け、現在は薬物療法中です。それまで健康そのものだったという島田さんにとって、罹患はまさかの出来事でもありました。そんな実体験を通して、同世代の女性に乳がんのことを知ってほしいという思いで綴るこの連載。第3回はしこりが見つかった後の検査を振り返ります。行う検査にはさまざまな種類があるようです。(監修:みやびクリニック院長 日本乳癌学会乳腺認定医 矢加部文医師 ※本記事は調べた情報や担当医の話などを基に筆者が執筆した内容を、専門医が改めて監修したものです)
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しこりに気づいた数日後、近所の乳腺外来へ
ふと右胸にしこりを感じてから数日後、婦人科と乳腺外科のレディースフロアがある隣駅のクリニックに行きました。
受診は今回が初めてではなく、20代後半と30代前半の2回、超音波とマンモグラフィの検査を受けたことがあります。有名人の乳がん報道が目に入り、「言われてみれば張っているような気がするし、しこりなのか骨なのかよく分からないようなものがある気もするし、一度くらいは診てもらった方がいいかなぁ」と思ったことが理由です。
ちなみに、マンモグラフィを含む一般的な乳がん検診の費用は1万円前後ですが、気になる症状がある上での検査は保険診療です。また、人間ドックなどでの検診と違い、結果をその場で説明してくれるので、少しでも気になることがあれば、一度行ってみることをおすすめします。
この日は女医が担当で「右胸にしこりのようなものがあって……」と伝えると、「ではマンモグラフィと超音波で診てみましょう」となりました。
ひたすら挟まれる、マンモグラフィ
まずは、マンモグラフィから。いわゆる乳房X線検査です。検査着に着替えて検査室に入り、天板のようなものの上に片胸を乗せます。そして、上からもう1枚の板のようなもので胸を挟むのが基本体勢です。
女性技師さんに「頑張ってくださいね! ちょっと我慢してくださいねー!」など声をかけられながら、とにかく「これでもか!」というくらい挟まれて引っ張られます。「まだいく!? いや……もういいでしょう!」の一歩先、ギリギリのレベルまで板で挟まれ、数秒我慢して終了です。両胸なので、当然これを反対側の胸でもう一度やります。
痛みの感覚や感想は本当に人それぞれで、脅すわけではないですが「痛くて二度とやりたくない」「気を失いそうになった」という友人もいます。私はどうかというと「イタタ……」くらいで、あまり苦痛に感じない方です。もちろん、いいものではないですけどね……。
苦痛はほぼない超音波検査(エコー) 2つの検査の結果は?
マンモグラフィを終えて待つこと数分、続いて超音波検査です。こちらも検査は女性の方が担当。人肌程度に温めてあるジェルを胸部に塗って、機械を当てていきます。
胸部で機械をコロコロ動かされるだけなので痛みはなく、脇の下など場所によってはくすぐったさを感じます。申告した右胸のしこりがある箇所は、何度も往復して写真を撮っていたらしく、かなり長めにチェックしていました。「やっぱりあるよね……」と思いながら、ただひたすら横になって終わるのを待っていました。
2つの検査を終了後、再度診察室に呼ばれました。マンモグラフィとエコーの画像、両方を並べながら先生が一言。
「ご自身で自覚のあったしこりなんですが、確かにはっきりと写っています。だいたい2センチくらいの大きさです。画像で見ると、良性のものよりもちょっと形がいびつで、成長しているような様子がみられるんですね。詳しく組織を採って調べた方がいいと思うのですが、この後にお時間ありますか?」
直後に私から出た一言は「マジですか……」。これが素直な気持ちでした。過去、気になってきた時も問題なかったし、せめてしこりはあっても「悪いものではないですよ」を期待していました。それなのに、組織を採って調べる? 想定外の言葉に戸惑いながらも、すぐにその日の生体検査をお願いしました。