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エアコンと併用は今や常識? 扇風機とサーキュレーターの違いとは
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教えてくれた人:本多 宏行
梅雨明け後、厳しい暑さが予想される今夏。政府は電力需給の逼迫が懸念されているとして、7年ぶりに全国規模で家庭や企業に対し節電要請することを決めました。家庭での具体的な節電行動として、推奨されているエアコンの設定温度は28度。しかし、厳しい暑さの中、設定温度通りの室温になるとは限りません。そんな時に賢く利用したいのが、扇風機やサーキュレーターです。そこで家電のスペシャリストが、扇風機とサーキュレーターの違いや効果的な設置位置についてレクチャー。延長保証制度の設計・運営を行うテックマークジャパン株式会社の総合家電エンジニア、本多宏行さんにお話を伺いました。
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室内の空気を循環させるのに向いているのはサーキュレーター
サーキュレーターや扇風機をエアコンと併用することで、節電効果が期待できることは近年広く知られてきていると思います。その前に、扇風機とサーキュレーターの違いをご存じでしょうか。
まず、扇風機は人体へ直接的に風を当てることを目的とした家電製品です。その働きは、うちわを仰いで涼しさを感じる感覚と似ているでしょう。人体の熱は水分とともに蒸発しますので、肌の表面温度が下がって涼しく感じられます。一方のサーキュレーターは、空気を循環させることを目的としており、人体へ風を当てて涼しく感じてもらうための家電製品ではありません。
気になる電気代は、採用されているモーターの種類で異なるものと考えます。従来の扇風機で採用されている交流(AC)モーターと、現在主流の直流(DC)モーターを比較してみましょう。この2タイプにおける差額は、1時間あたりでは1円にも満たないでしょう。しかし、1日8時間の使用に換算すると2円から3円ほどの差が生じ、直流モーターに分があります。これはサーキュレーターにも同じことがいえると思います。
では、扇風機とサーキュレーターで、電気代が安価になるのはどちらなのでしょうか。これは使用環境によって異なりますので、一概に言い切ることはできません。また、どちらも直流モーターが採用されているものを選択した場合、大差は生じないだろうと思います。このことから扇風機とサーキュレーターを比較する場合は、電気代よりも使用目的を重視するべきだと考えられます。