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ガソリンをかけられ火をつけられた犬 体の60%火傷するも一命取り留め世界が応援
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警察庁は4月、日本における昨年1年間の動物虐待検挙件数を発表。前年比68件増の170件で、統計のある2010年以降では過去最高だったことが大きく報じられました。動物愛護に対する社会的関心の高まりや動物愛護法の改正などが、検挙数の増加に影響したとみられているようです。「卑劣な動物虐待は許せない」という気持ちは全世界共通のようで、米国では虐待で全身に大火傷を負った犬が保護され話題に。保護した団体が順調に回復している様子をSNSで発信し、世界中からプレゼントや応援の声が届いています。
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「人生で見た中でも本当に最悪の光景」 近所の人に救助されたリオナ
米テネシー州の「テールズ・オブ・ホープ・ドッグ・レスキュー」は、虐待や飼育放棄された犬たちを救助する非営利動物保護団体。地元のドッグシェルターから殺処分を待つ犬たちを引き取ったり、必要な犬に適切な医療やリハビリを施したりしているそうです。
先月20日、同団体に目を疑うような大怪我をした犬が運び込まれました。犬の名は「リオナ」。ガソリンをかけられ、火をつけられて苦しんでいたところを近所の人に発見されたそうです。発見者のアシュリー・クラフトさんは、地元ラジオ局「WHBQ」にその時の様子を語っています。
「私は外に飛び出して、この犬が炎に包まれているのを見たんです。それは恐らく、人生で見た中でも本当に最悪の光景でした」
クラフトさんは自宅のプールからバケツで水をすくい、急いでリオナの元に走ったそうです。そして近所の人と協力して、何とかリオナを助け出すことができました。リオナはすぐに、近くの専門動物病院で治療を受けることに。体の60%に火傷を負っていましたが、幸いにも一命を取り留めました。
米雑誌「ピープル」によると、地元のメンフィス警察はリオナを虐待した容疑者の捜索を続けており、有力な情報に2万ドル(約270万円)もの報奨金をかけています。
順調に回復する様子が話題に 皮膚移植を来週に控える
リオナを救助したチームは、体調が落ち着いてきたタイミングで「Justice4Riona」というTikTokアカウントを作成。リオナの回復経過をまとめた1番目の動画は、9日時点で60万回以上再生されています。
投稿のコメント欄には2000件以上が寄せられ、「オーマイガーどうしてこんなに残酷なことができるんだ!」「彼女への仕打ちを償わなければならない」「犯人たちは刑務所にいると言ってください」など憤りの声が世界中から殺到しました。
スタッフが動画のアクセス記録を確認したところ、ウクライナやギリシャ、デンマークなど、さまざまな場所で視聴されていたそうです。そしてこの投稿をきっかけに、リオナの元には世界中からプレゼントや手紙が届くようになりました。
保護団体はフェイスブックでもリオナの経過を報告。現地時間8日の最新投稿によると、現在のリオナはとても元気で、来週から顔の皮膚移植を始める予定だそう。医療スタッフのおかげで、感染症も回避できているそうです。
また同団体には、リオナのように虐待を受けたかわいそうな動物たちが毎日やって来るそう。「他にも多くの人が虐待された犬たちの物語を共有しています。そして悲しいことに、そのほとんどはどん底にあります。あなたはやめるべきです」と、強く訴えかける言葉で投稿を締めくくっています。
(Hint-Pot編集部)