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楊貴妃も愛したライチ 「美の果実」とされる3つの栄養とは 国内でも高級品が生産

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

ウロコ状の皮に白い果肉が特徴のライチ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ウロコ状の皮に白い果肉が特徴のライチ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 中国唐代の皇妃、楊貴妃がこよなく愛したフルーツとしても知られるライチ。日本で流通しているものは輸入が多いですが、近年は国内でもわずかではあるものの生産している地域があり、7月頃に生のライチが出回ります。ライチについて、栄養士の和漢歩実さんに伺いました。

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楊貴妃が愛したフルーツ 貴重な国産も

 ライチは「ライチー」とも呼ばれ、別名を「レイシ」ともいいます。トロピカルフルーツの一種。種類によって皮の色は異なりますが、ごつごつとしたウロコ状の皮をむくと、ぷるぷると弾力のあるみずみずしい白い果肉が詰まっています。

“世界三大美女”と称される楊貴妃が好んで食べていたフルーツとしても有名です。中国では古くから栽培され、たくさんの品種があるようです。日本には江戸時代の頃に伝わったといわれています。現在では、沖縄、鹿児島、宮崎県などで栽培されますが、ごくわずかで高級ライチとして知られています。

 冷凍貯蔵が一般的だったライチですが、近年フレッシュな輸入ものが店頭に出回るようになりました。甘い独特の香りを放つ生のライチは旬が短いので、店頭で見かけたらぜひ逃さずに。栄養の魅力を解説していきましょう。

ダイエットにも? 栄養の魅力とは

生のライチの出回り時期は短いので逃さずいただきたい(写真はイメージ)【写真:写真AC】
生のライチの出回り時期は短いので逃さずいただきたい(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ダイエットや美肌に良いライチの栄養について、日本食品標準成分表2020年版(八訂)可食部100グラムあたりで見ていきましょう。

○ビタミンC
 美肌の“代表的”なビタミン。活性酸素を抑える抗酸化作用があり、またコラーゲンの合成を助けるためシミやシワなどの予防効果が期待できます。含まれる量は36ミリグラム。ミカンのビタミンCが32ミリグラムなので、ほぼ同量です。

○葉酸
 ビタミンB群の一つ。これはビタミンB12とともに赤血球を作り、貧血予防の効果が期待できます。血行を促すため、顔色や肌の調子も良くなります。またDNAの合成を促進するとされ、妊娠中の方には重要な栄養成分です。100マイクログラムを含み、果実の中ではトップクラス。茹でたホウレン草は110マイクログラムなので、ほぼ同量です。

○カリウム
 体内の余分な水分や塩分の排出を促すため利尿効果があり、高血圧が気になる人や体や顔がむくみやすい蒸し暑い時期に特に良いでしょう。170ミリグラム含まれています。比較的多いといわれるスイカでも120ミリグラムです。

「美の果実」といわれる理由は、これら3つの栄養にあるといえるでしょう。ちなみにエネルギーは、61キロカロリー。特に低いわけではありませんが、生ライチに含まれる美への栄養メリットは高そうです。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾