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イチゴは野菜? 食べている「赤い部分」は果実ではない? 知っているようで知らない事実

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

イチゴ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
イチゴ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 1月15日は「イチゴの日」。露地栽培の最盛期は5月頃ですが、ハウス栽培のものは今がおいしい季節です。お正月が過ぎて、スーパーマーケットなどでは手頃な価格で並び始めましたよね。人気の“果物”と言いたいところですが、園芸学の分類によると果物ではないようです。また、食べている赤い部分も“果実”ではないだのとか。知っているようで知らないイチゴについて、栄養士の和漢歩実さんに話を伺いました。

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日本で食べるようになったのは江戸時代 「果物」ではない

 イチゴが日本で食べられるようになったのは、1830年代頃とみられています。江戸時代末期にオランダの船が持ち込んだようです。明治時代には欧米からさまざまな種苗が入ってくるようになり、1900年頃から日本での営利栽培が始まりました。

 今ではたくさんの品種が存在しており、ブランドイチゴも人気ですよね。本来の旬は露地栽培で春から初夏でしたが、ハウス栽培の生産技術が向上し、秋冬にも食べられるようになりました。産地や品種ごとに旬が異なるので、年中楽しめる“フルーツ”です。

 ただし、園芸学でのイチゴは「野菜」に分類されます。なぜなら、「木の実」(木本性)は果物に、「草の実」(草本性)は野菜とされているから。イチゴはバラ科の植物ですが、同じ科のサクランボやリンゴが木になるのとは違い草になるため、「草の実」として野菜の一種になります。

 農林水産省の作物統計調査などを見ると、「野菜」に含まれていることが分かるでしょう。しかし、実際は果物のように食べられていることから、メロンやスイカと同様に「果実的野菜」とも呼ばれます。