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コロナ禍で乳がんが判明 手術日の決定や入院当日までの葛藤と不安
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全身麻酔の手術に向けた事前検査&オリエンテーション
乳がんの全摘手術は全身麻酔のため、手術そのものに向けた検査があります。心エコー、採血・採尿、心電図、肺機能の検査。さらに家族同席のもと、麻酔科での説明もありました。
脳や心臓、その他の臓器などに比べれば大きな手術ではないにしても、全身麻酔での手術には少なからずリスクがあります。アナフィラキシーショックといったアレルギー反応が万が一みられた場合の話、麻酔が切れる時は意識が戻ったか確認してから酸素の管を抜く……など説明されると、急にいろいろな不安が募ってきました。
ですが、この時も叔母に同席してもらい、過去に祖父母や叔父叔母にアレルギーなどがあった人がいなかったかなどの話を聞きながら気を紛らわすことができました。
コロナ禍の入院・手術はさまざまな制限がある
さらに入院オリエンテーションもありました。入院時の注意事項、病院のルール、入院中の過ごし方、事前に用意するものや持ち物などの説明を受けるものです。
特にコロナ禍の入院は、一切の面会が不可。手術当日は家族1名のみ可。それも病室には入れず、病棟の入り口からエレベーター、手術室の入り口の前までです。荷物の受け渡しも受付での対応で、直接会うことはできません。さらにコインランドリーも使用不可で宅配のランドリーサービスのみとのこと。2週間前からは体調チェック表の記入も必要でした。
迎えた39歳の誕生日、そして入院前のコロナ疑惑
体調チェックを記入し始めた入院2週間前、39歳の誕生日を迎えました。「思いがけない30代最後の歳のスタートになったけれど、病気を治して気持ちも新たにいこう!」と、前向きな気持ちでいました。
ただこうした気合とは裏腹に、入院・手術に向けてやはり緊張していたのでしょう。入院1週間前から謎の悪寒と微熱。この時期にそんな症状が出れば、コロナを疑うしかありません。
入院予定の病院に相談すると、近くでPCR検査を受けるように言われ、急遽近くの病院の発熱外来に。翌日に結果は陰性になり安心したのもつかの間、今度は徐々にのどの痛みがやってくる始末。大丈夫と言い聞かせつつも心配は拭えず、数日後に入院日を迎えました。
のどに違和感…どこまでも一筋縄ではいかない入院当日
いよいよ入院日。午前中に入院の手続きを済ませる予定で向かい、一通りの書類と体調チェック表も提出しました。併せて数日前にPCR検査を受けて陰性だったこと、しかしのどに少し違和感があることも伝えると、当然「お待ちください」と確認が入ります。
しばらくすると別室に移動することになり、そこでも再度PCR検査に。そして結果が出るまで2時間以上隔離となってしまいました。幸い結果は陰性で、ようやく病室に入れることになりましたが、午前中入院の予定がもはや夕方になっていました。
入院日の手術前日は特に検査や処置などはなく、手術に向けた注意事項の説明のみ。「コロナになって手術が延期になったらどうしよう……」という不安からようやく解放され、とにかく無事に入院できて良かったと胸を撫で下ろしました。
今振り返れば、術前のさまざまな体調変化は精神的なものが影響していたのだと思います。自分では大丈夫! と思っていても体は正直。そもそも乳がんになったこともそうだけれど、私は無意識のうちに緊張や疲れを溜めていて体に影響するタイプなのだ、過信は禁物だ、と改めて実感したものです。
(島田 みゆ)
島田 みゆ(しまだ・みゆ)
1983年生まれ。社会人教育関係の会社で企画編集として11年勤めたのち、旅や食分野のライター、ヨガ講師、海外ツアーコンダクターの複業フリーランスに。コロナ禍で旅行の仕事が休業状態になり、好きな旅行ができないのであればと2022年からの海外生活を見据えていた矢先、38歳で乳がんが判明。3月に右胸全摘出手術を終え、現在も治療を続けながら、自身の経験を踏まえて多くの女性の心と体を健康に役立つ発信・活動をしたいと考えている。
ツイッター:@myuu_works
note:島田みゆ | 取材ライター×ヨガ講師×海外ツアコン