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首から血が? アカカンガルーのお昼寝姿に衝撃! 意外と知らない動物の生態
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メスへのアピール? 成熟期のオスが出す赤色の分泌液
定番レジャーのひとつとして見どころ満載の動物園は、動物達の意外な生態を知ることができる貴重な「学び」の場でもあります。有袋類の動物として代表的なアカカンガルー。メスがお腹にもった袋で赤ちゃんを育てるというイメージを持っている方がほとんどではないでしょうか。実はオスにも「ちょっとビックリ」するような、面白い特徴があったのです。
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鹿児島県にある「鹿児島市平川動物公園」は、140種1000点以上の動物を飼育する、豊かな自然に囲まれた動物園です。その公式ツイッターのフォロワーは、21.1万人以上。不定期で動物達の面白い生態を紹介しています。
今回、話題となったのはアカカンガルーのオス、8歳の「ロック」くんの1枚の写真。一見すると、首から血が滲み、倒れているかのよう!? その姿に思わずギョッとしてしまう人もいるほど、インパクト大な写真なのですが、ただお昼寝をしているだけだというのです。
そこで、平川動物公園 飼育展示課の落合晋作さんに詳しくお聞きしました。
「これは決してケガをしているわけではなく、成熟したオスのアカカンガルーが出す分泌液によって毛が赤く染まっています。オスは胸やのど、腋に赤みを帯びた分泌液を出す腺があります。性成熟は2歳前後からなので、このあたりの年齢から出すことができますね」
なんと首ににじんでいるのは、血液ではなく特殊な赤い分泌液なのだそう。赤い体液といえば、カバが赤い汗をかくというのは有名な話ですが、カンガルーも赤い分泌液を出す種類がいるとは驚きです。落合さんによると、メスの体色は灰青色をしており、メスが赤い分泌液が出しているのを見たことはないそうで、オス特有の現象なようです。
「分泌液の作用は、よくわかっていないようです。ただ、発情したメスにこすりつけてる行動が観察された事例もあることから、メスに交尾等の刺激を与えるなど、繁殖に寄与していることが疑われています。また、興奮時によく出していることが多いことから、オスの存在を誇示するのにつかわれている可能性もあります」
この分泌液については、まだまだ解明されていないことも多いようですが、今度動物園に行った際には、ぜひ注目したいものです。
私達が知らない、動物達の驚きの生態を知ることができる動物園。新学期が始まったという学校も多いと思いますが、普段から新たな発見をしに出かけてみてはいかがでしょうか。
(Hint-Pot編集部)