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香港観光の“超定番”ケーブルカー路線 6代目車両が27日デビュー 駅もグレードアップ
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香港観光の定番といえば、香港島のヴィクトリア・ピークから眺める100万ドルの夜景。その山頂に向かうケーブルカー「ピーク・トラム」は、1888年5月の開業から今年で134年を迎えました。昨年6月末からは運行を停止しての改修工事が続いていましたが、ついにリニューアルオープンの日が決定。8月27日(土)から6代目の新型車両がお目見えします。
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コロナ禍前は年間約700万人が利用
ヴィクトリア・ピークとは、太平山(タイピンサン)の英語名。海抜552メートルのピークは香港島で最も高い山で、山頂付近からヴィクトリア湾側を見下ろせば、ネオンに彩られた100万ドルの夜景を一望できます。
展望台の周辺にはさまざまなショップや飲食店、アトラクション施設もあり、香港を訪問した外国人なら「とりあえず行ってみるか」と思う定番の観光スポットです。バスやタクシーなどでもアクセスできますが、旅気分を盛り上げるならやはりピーク・トラムでしょう。
海抜28メートルの「花園道」駅から396メートルの「山頂」駅を結ぶこのケーブルカーは元々、山頂の住人用に開業されました。途中には乗降客がいる時にだけ停車する4つの駅があり、オフシーズンの空いている時間帯に乗ると停車の瞬間に立ち会うこともあります。また、4度から25.7度の急勾配を登るため、周辺の高層建築物がトラムに向かって落下してくるように見える「ピーク・トラムの幻影」も独特の体験です。
コロナ禍前は年間約700万人が利用していたというだけあって、観光シーズンになると駅にできる長蛇の列も“名物”に。その改善を目指して、2018年には駅の拡張や新型車両の導入を含む大規模な改修計画が発表され、運休を伴う工事が段階的に実施されました。
2021年6月末に始まった最終段階工事に伴い、1989年から使用されていたエンジ色の5代目車両は引退。「ピーク・トラムといえばこの色」と覚えている人も多いでしょう。運行最終日には多数の市民がその姿を見送りました。
6代目車両では3代目と4代目に使用された緑色が復活
約半年間が予定されていた最終段階工事は、コロナ禍の影響を受けて遅延。この間の3月には6代目車両が試験運行する様子も報じられ、真新しい緑色の車体が大きな話題を呼びました。緑色は3代目と4代目にも使用されており、約30年ぶりに“復活”することになります。また、乗車定員は120人から210人に増加するそうです。
そしてついに、運営企業は8月27日のリニューアルオープンを発表。新しい駅の様子や料金なども明らかになりました。観光シーズンになると長すぎる待ち時間が“名物”だった「花園道」駅は収容可能人数が1300人に増加。展示スペースなども新設され、ピーク・トラムの長い歴史を知ることができます。
また、展望台「ピーク・タワー」入場券付き料金は往復で大人148香港ドル(約2590円)、子どもと老人74香港ドル(約1295円)。10月30日(日)までは99香港ドル(約1732円)と50香港ドル(約875円)の特別割引料金が設定される他、オープン前日までは公式サイトでさらに安い料金での事前購入が可能です。
コロナ禍で長く観光客の姿が消えていた香港ですが、今月12日からは海外からの渡航者に義務付けている隔離期間を3日間に短縮。観光都市としての“再起動”に向けて準備を進めています。ピーク・トラムのリニューアルオープンは、まさに絶好のタイミングといえるでしょう。
(Hint-Pot編集部)