からだ・美容
オーガズムを得るためにできることってあるの? 体に起こる反応を正しく知っておく
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:OliviA
性との向き合い方に悩む読者の皆さんから寄せられたご相談に、ラブライフアドバイザーのOliviA(オリビア)さんが優しく回答するこの連載。今回は特別編として、ワンテーマを深く解説していただきました。テーマは「オーガズム」。性に関する話題でよく耳にする言葉ですが、女性にとっては「どのような感覚か分からない」「得るためにはどうすればいい?」といったお悩みの対象になることも多いでしょう。体にどのような変化が起こっているのかを知ることで、効率的な解決法が導きやすくなるかもしれません。
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オーガズムに至るまでは男女に大きな差 最も顕著なものは「時間」
――そもそも「オーガズム」とはどういった感覚なのでしょうか? 体に起こる反応を教えてください。
オーガズムとは性反応の段階の一つを指す言葉です。性科学的には、オーガズムに至る過程で4つの段階を踏むことが分かっていますが、そこにはかなりの男女差があります。
最初の段階は「興奮期」。骨盤内に血が集まることで、男性は陰茎が徐々に勃起し、女性はバルトリン腺から腟分泌液が出て腟口が潤ってきます。ただしこれらの反応は、女性の方が時間を要するもの。女性は丁寧に時間をかけて愛撫をすることで潤う一方、男性は勃起すると準備万端、すぐに次の段階へ行けるわけです。
これらの反応は、男女ともに交感神経が優位になってリラックスしている状態であるとスムーズに起きます。緊張感を伴っている場合、男性は勃起しにくくなり、女性は腟分泌液が分泌されにくくなるため、まずはリラックスしていることがオーガズムの入り口です。
次の段階は「高原期」です。男性は睾丸が陰茎の根元にせり上がるような感じで縮まり、射精の準備に入る段階です。その直前にカウパー腺液という透明な体液が分泌され、尿道口を潤します。若い男性なら興奮期から挿入準備が整う段階まで数十秒~数分と短時間で移行する場合もありますが、あくまでも個人差があることを覚えておきましょう。
女性の変化はこれより大きいものです。腟では入り口付近が縮んで腟奥が広がるテント現象(テンティング)が起こり、腟の中も潤ってきますので、この状態での挿入が性交痛予防の意味でも最適となります。こちらも個人差はありますが、興奮期から挿入準備が整うまでは20~30分です。
そしてやっと「オーガズム期」です。男性の場合は0.8秒に1回の間隔で筋肉の収縮と弛緩を繰り返し、射精します。女性の場合もオーガズムに達することで、0.8秒間隔で骨盤底筋と子宮が収縮と弛緩を繰り返します。男性は射精という目に見える反応ですが、女性の反応は目に見えない分、ファンタジーが乗せられやすい傾向があるといえるでしょう。
脳内で起こっていることは男女とも同じです。幸せホルモンと呼ばれるオキシトシン、痛みを和らげるエンドルフィンという脳内物質が分泌されますが、それに対する反応には個人差があり、数値化できません。「頭の中が真っ白になる」「多幸感に包まれる」などさまざまな表現があります。
4段階目は興奮がおさまっていく「消退期」。女性は男性よりもゆるやかにおさまっていく傾向があります。刺激を続けることでオーガズムを複数回体験する女性もいますが、全員ではありません。「女性は複数回体験できる」というのはファンタジーなので、そう思い込んだり、パートナーに押し付けたりしないよう注意しましょう。
一方で男性は、射精後の切り替えが早いものです。すぐにシャワーを浴びに行く、スマートフォンをいじる、寝てしまうなど、寂しい思いをする女性の声も聞きます。ともにオーガズム後の反応には性差があると知っておくと、相互理解の一助になるでしょう。