性に関するお悩みが数ある中、さまざまな形で注目されるものに「性欲」があります。個人差があることは理解できますが、性欲を決める要素とは一体何なのか？　性との向き合い方に悩む読者の皆さんから寄せられたご相談に、ラブライフアドバイザーのOliviA（オリビア）さんが優しく回答するこの連載。今回は男性から寄せられた「性欲について」のお悩みです。

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女性と男性では性的欲求を抱く過程に違いがある？

【今回のお悩み1】
「食欲や睡眠欲に個人差があるなら、性欲も同じだと想像できます。ただ、若い頃からずっと性欲旺盛な人や、シニアの年代に入っても性欲が衰えない人は、何かもっと別の理由があるような……。人の性欲を決める要素とは何なのでしょうか？」（既婚・20代男性）

　今回は少し難しいご質問ですね。まずは「性欲が衰えない」といわれるタイプについて紐解いてみましょう。

　一般的には、パートナーとの関係性において性行為を重要視しているタイプを指す場合が多いでしょう。関係性維持を目的にしてコンスタントに性行為を行うため、性欲が衰えないというわけです。また、性生活自体を大切にしている方も、年齢に関係なく絶やさないようにされるので“衰えない感”が強いように思います。

　そこで注目したいのが、カナダのローズマリー・バッソン博士が発表した研究結果。それによると、女性と男性では性的欲求を抱く過程に違いがあると指摘しています。

　女性は性的欲求を感じる時に、相手との親密感や相手への信頼度が重要。親密な関係の中で性的な刺激を受けることで興奮し、精神的にも肉体的にも満足感が高まってさらに親密になっていくという循環型モデルを提示しました。一方、男性は性欲があって興奮がついてくる線形的なモデルに当てはまりやすい。絆が深いから欲情するというより、男性ホルモンの作用によって性的欲求を抱くとされています。

　これを踏まえると、性欲の衰えとは女性の場合だと“相手への親密感の喪失”、男性の場合だと“発散したいと思う気分の低下”といえるかもしれません。とはいえ、男性だから、女性だからと決めつけることはやりすぎであり、多様性を無視することにもなります。「心理的にはそういう傾向がある」といった程度の理解が適しているでしょう。