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W杯の雑学 浅野選手が飛び越えたボードの正体は? ドイツ戦で逆転弾直後の一幕

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

24日、ブラジル対セルビア。フィールドと観戦席を区切る位置にはスポンサーボードが【写真:Getty Images】
24日、ブラジル対セルビア。フィールドと観戦席を区切る位置にはスポンサーボードが【写真:Getty Images】

 連日熱戦が繰り広げられているFIFAワールドカップ(W杯)2022年カタール大会。あっという間にグループステージも折り返しを迎え、すでに多くのドラマが生まれています。普段はサッカーを見ないけれど、熱くなっている周囲がちょっとうらやましい……と思うことはありませんか? 4年に一度開催されるこの世界の祭典は、サッカービギナーにとって最高の入り口です。そこで「Hint-Pot」では、W杯の“主役”である試合や選手からは少し離れた“脇役”に注目。今回は会場に設置されているスポンサーボードについて解説します。11月23日(水・祝)のドイツ戦で、浅野選手が逆転ゴールを決めた直後に飛び越えた板のようなもの、あれがスポンサーボードです。

 ◇ ◇ ◇

スポンサーボードの高さは陸上のハードルとほぼ同じ

 11月23日に行われた日本対ドイツ戦で、途中出場した浅野琢磨選手(FW)。1-1で迎えた83分、ドイツの主将で超有名ゴールキーパーのマヌエル・ノイアー選手を相手に、至近距離から逆転ゴールを決めました。そしてそのまま駆け抜けた浅野選手はどこへ?

LEDボードを軽々と飛び越えたゴール直後の浅野選手【写真:Getty Images】
LEDボードを軽々と飛び越えたゴール直後の浅野選手【写真:Getty Images】

 感動で頭が真っ白になって、よく見ていなかった人が多いかもしれません。実はこの後、浅野選手はグラウンド周囲のスポンサーボードを軽々と飛び越え、観客のいるスタンド近くを走っていたのです。ゴール直後に画面から消え、少し経ってからその姿が映し出されました。

 でもこのスポンサーボード、高さ約100センチと陸上競技のハードルとほぼ変わらない高さ。また、ハードルと違ってかなり厚みがあるので、軽々と飛び越えるのはやはり相当な運動神経の持ち主でないと難しそうですね。

W杯のLEDボードは2010年南アフリカ大会から

 改めてW杯のスポンサーボードを見てみましょう。ピッチを囲むように並べられたボードは、選手たちの後ろで企業ロゴや宣伝フレーズなどに切り替わっています。

 現在はこうしたLED式電光掲示板、いわゆるLEDボードが当たり前ですが、実は導入されてからまだ10年と少ししか経っていません。W杯では2010年南アフリカ大会からで、今回のカタール大会はまだ4大会目。それまで使われていたのは、固定のボードでした。

 画面の切り替えで複数スポンサーが“共存”でき、動画なども表示できるLEDボードと違い、固定のボードは一度設置されるとそのままです。試合中は変わらないため、少しでも多くの広告露出量を稼ぎたいスポンサーからすると、掲出位置はまさに死活問題。テレビ放送などでの露出時間が最も長いとされるバックスタンド側やゴール裏には、上級スポンサーのみが掲出されていました。

 LEDボードになった現在は、バックスタンド側やゴール裏にも各社のロゴなどが掲出されます。そこで気になるのは、掲出時間です。一体どうやって各スポンサーに配分されているのか? 実は、最上級スポンサーから順に決まった時間が割り当てられています。

アディショナルタイムの掲出時間はどうなるの?

 試合中は最上級スポンサーから順に決まった時間になりますが、今大会で多いとされているアディショナルタイムはどうなるのでしょうか?

 アディショナルタイムとは、本来の試合時間である前後半計90分に、主審の判断で時計が止められた時間、すなわち試合が中断された分の時間が追加されたもの。日本では以前、ロスタイムと呼ばれていましたが、2010年からはFIFAが使うアディショナルタイムに統一されました。今回のW杯ではグループステージ(1次リーグ)グループBのイングランド対イラン戦(現地時間11月21日)で、何と27分間がアディショナルタイムに。W杯史上最長記録として話題になりました。

 スポンサーボードに話を戻しましょう。大会にもよりますが、今回のW杯でアディショナルタイムの掲出は、全スポンサーのロゴが静態で横並びになっています。多額のスポンサーシップ料が動くW杯。どのような会社が世界の祭典のスポンサーなのか、試合とは違うところに注目するのも面白いかもしれませんね。

(Hint-Pot編集部)