Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

話題

「負けたくないじゃないですか。二番目の女達に」 彼の言動をネット上で監視する“ネス彼女”の実態

公開日:  /  更新日:

著者:Ryo

彼に恋人がいたことが発覚 知らぬ間に「浮気相手」になっていた自分

「まさか彼に恋人がいたなんてショックでした。そんなことも知らずに私は、彼が家に来たときに作った料理や、顔だしはしていないですが家で一緒にいる彼の手元や首から下などが写り込んだ様子をストーリーにアップしたりしていました。その彼女は、彼の言動が怪しいと思っていろいろと調べていたのでしょうね。相手が私だと特定したのでしょう」

 彼女がいることを知らずに、いつの間にか浮気相手になっていた自分。その事実にショックを受けつつも、Mさんはすぐさま彼に問い詰めた。

「彼は、『彼女よりMを好きになったから、彼女と別れてMと付き合いたい』と言ってくれました。実際、すぐに彼女さんと別れてくれて私たちの交際がスタートしたんです」

 楽しい日々の始まり……。しかし、Mさんの胸に広がった雨雲が晴れることはなかった。

「私が知らなかっただけで、もともとは浮気からスタートした関係なんですもん。自分が元彼女さん側になることだってあり得るわけじゃないですか」
 

晴れて彼女になったのに拭えない不安 急に連絡が取れなくなった彼を探しに

 Mさんは晴れて「彼女」になったはずなのに、同時に一緒にいない時に彼は何をしているのかが、とにかく気になるようになったという。頻繁にどこにいるか連絡を取りあうなど、なるべく不安を払しょくできるよう彼も努力をしていたそうだ。

「でもある日、深夜に連絡が急に返ってこなくなったんです。その時は寝ちゃったのかな? と思ったんですが、彼のインスタグラムにストーリーが上がっていることに気づいて。内容は行きつけのバーでバカ騒ぎしている動画。もちろん女の子の声も入ってました」

 それを見たMさんは、彼と出会った時の記憶がよみがえったという。

「まさかとは思いましたが、私にしたことを他の女の子にもしている可能性だって大いにある。そう思うと、いてもたってもいられなくて。すぐに家を飛び出して、バーへ向かいました」
 

まさかの光景 彼の言動をネットでチェックする「ネス彼女」の道を突き進む

 バーでMさんが目にした光景は……。まさかではなく、よみがえった記憶と重なるものだった。

「バーに行ったら彼は泥酔状態。見たことのない女の子の膝の上ですやすや眠っていました。腹が立って、水をかけて起こして、そのままタクシーで連れて帰りました」

 朝になって目覚めた彼は、青ざめた様子でMさんに謝ってきたという。

「彼から『もう二度としない。ごめんなさい』そう言われても信用なんてできるわけなくて」

 その日から、Mさんの“ネットストーカー”が始まる。完全なる「ネス彼女」へ。
 

位置情報の確認は当たり前 SNSのフォロワーまで一人ひとり見るように

 Mさんは彼の情報を常にネットで収集しはじめた。その行動は、彼女とは思えない常軌を逸した状態になっていく。

「ありがたいことに今は色んなアプリが出ていて、位置情報が分かっちゃうものもあるんです。元々は近くにいる友人とかを探すためのアプリなんですけど、それくらい一般的に浸透しているものなので、GPSより怪しまれずにインストールさせられるというか。それで彼の居場所は随時チェックしています」

彼は、アプリをオフにすることもできるのでは? と聞くとMさんは“勝ち誇った”ような表情を浮かべ、こう答えた。

「もちろん位置情報をオフにもできるんですけど、オフにした瞬間、自白してるみたいなものですからね(笑)。あとはSNSのフォロワーもひとりずつ確認します。彼がタグ付けされている写真があれば、その投稿者を見つけ出し、どんな関係かまで調べますね。コメント・いいねも、もちろん見ます」

不安ゆえの行動にもかかわらず、どことなく勝者のような清々しさが感じられるMさん。彼に対するネット監視への「攻略話」は止まらない。さらに、怪しいと目星をつけた女性たちのリストもあるという。

「以前、位置情報アプリで彼の居場所をこっそりと見ていると、『何でこんなとこにいるんだろう?』ということがありました。そこで彼がいた場所付近に住んでいる知り合いの女の子がいないかを調べたり、毎回コメントしてくる子、私のインスタグラムストーリーをこまめにチェックしている子、ざっと15人くらいをリストアップし、注意しています」
 

一緒にいないときでさえ、彼の言動をネット上でストーキング 幸せなのか

 なぜ、自分のそばにいない時でさえも、まるでネット上でストーキングしているかのように彼の言動をチェックするのだろうか。そして、それほどまでに信用できない彼と一緒にいるのだろうか。

「だって負けたくないじゃないですか。そんな二番目の女たちに」

 彼への「愛」というよりは「女のプライド」といったところなのだろうか。

本当に付き合っていて幸せなのか……。疑問を投げかけてみた。

「楽しいですよ。やっぱり根底には“好き”って気持ちがありますから。好きじゃなきゃ、こんなことまでしないです」

Mさんのスマホのトップ画面には、彼とのツーショット、そしてインスタグラムとツイッター、位置情報アプリが堂々と並んでいる。

彼女にとって、このアプリたちは、幸せを維持するための「三種の神器」といえるのかもしれない。

(Ryo)