どうぶつ
絶対王者が人気の引退馬牧場に仲間入り オジュウチョウサン “第二の馬生”がスタート
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絶対王者と呼ばれた馬の“第二の馬生”がスタートしました。昨年いっぱいで競走馬を引退したオジュウチョウサン(牡12)です。オジュウが絶対王者たる所以は、暮れを彩る障害レースの祭典・中山大障害を3勝もしたこと。昨年末に引退した後は、生まれ故郷の北海道にある坂東牧場へ。そしてすぐに「Yogiboヴェルサイユリゾートファーム」(北海道日高町)へ移動し、種牡馬生活をスタートさせます。1月23日に到着したばかりのオジュウ。現在の様子について岩崎崇文さんにお話を伺いました。
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1月下旬に北海道へ 銀世界での動画が話題に
一面の銀世界に絶対王者、オジュウチョウサンが降り立ったのは1月23日のこと。3日後の1月26日には、公式ツイッター(@Versailles_Farm)で動画が公開され、あっという間に再生回数が10万回を超えました。
雪上で跳ね回る姿は1か月前までの現役当時そのまま。12歳ですが、身のこなしはさすがです。リプライ(返信)にも「元気そうでなによりです」「調子良さそう」「動きが軽やか」など、喜びの声が並びました。
その前日、25日には筋膜リリースの様子も。これは凝り固まった筋膜をほぐす施術で、人間のアスリートも受けるケースがあります。岩崎さんによると、同牧場では1台約200万円の機器を使って全頭に行っているそうです。
「吸引の強さを変えてあげたりして、定期的に全頭に使ってます。使ってあげると可動域も広がり、動きが良くなります。張っていると分かるし、動きが硬くなるので分かりやすい」
タニノギムレット(2002年ダービー馬)は喜ぶ一方で、ロジクライ(JRA重賞2勝馬)は嫌がるのだそう。岩崎さんはおとなしく受けるオジュウを「頭が良い馬です」と絶賛します。
「1月23日に到着して日が浅く、性格はまだ猫をかぶっているかもしれません。血統的(父ステイゴールドはやんちゃ)にかまえていましたが、意外と今はおとなしい。本領発揮はこれからかもしれないです」
つい1か月前まで厳しい世界でしのぎを削っていたので、そう簡単にはモードが切り替わらないのかもしれませんね。現在は、午前5時30分か午前6時から放牧。まだ北海道に来たばかりなので、環境に慣れるためもあり1~2時間で馬房に戻るそうです。
現役時代の成績は日本の競馬史に燦然と輝くものです。平坦なコースを走る競馬とは別の、障害レースで32戦18勝の成績を挙げました。障害レースは通常の競馬場で行われますが、文字通り障害物を跳び越えて走ります。年に2つしかない障害G1で9勝は、もちろん歴代最多。2016年から2018年にかけては11連勝という離れ業でした。その後は通常の競馬を1度走って、再び障害で連勝。障害連勝13も当然、歴代1位の記録です。
障害レースのみで獲得した賞金8億円以上もトップ。これらの記録こそが、絶対王者と呼ばれる所以です。今後は牡馬として歩む“第二の馬生”。絶対王者の第2章が楽しみですね。
※環境に慣れることを優先するため、当面はオジュウチョウサンの見学ができません。可能になった際は、Yogiboヴェルサイユリゾートファームの公式SNSなどで告知予定です。
(Hint-Pot編集部)