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マドンナに「誰かわからない」と外見批判 本人は「謝るつもりはない」と反論 年齢差別が米国で議論に

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

現地時間2月5日、第65回グラミー賞授賞式に登場したマドンナ【写真:Getty Images】
現地時間2月5日、第65回グラミー賞授賞式に登場したマドンナ【写真:Getty Images】

 1980年代にデビューし、約40年にわたって常に注目を集めてきたマドンナ。64歳になった今でも挑戦を忘れず、自分らしいファッションを追求し続けています。ところが、現地時間2月5日に行われた第65回グラミー賞授賞式にプレゼンターとして登場するとその容姿が注目の的に。「誰かわからない」といった声がネットを中心に沸き上がり、マドンナ自身がそれに反論したことで、このエイジズム(年齢差別)に対する議論が米国で沸き起こっています。

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「これからも自分の外見や服装について謝るつもりはない」と明言したマドンナ

 マドンナは5日に開催されたグラミー賞授賞式にサプライズ登場。「最優秀ポップ・グループ/デュオ・パフォーマンス(歌唱・演奏)賞」に選ばれたサム・スミスとキム・ペトラスによる「Unholy」のパフォーマンスの紹介役を務めました。

 その舞台でマドンナは「音楽界に40年もいて学んだのは、もしあなたが衝撃的、スキャンダラス、問題児、挑発的、危険と言われるのであれば、それは間違いなく何かを持っている人だということ」と語っています。しかし、その力強い言葉以上に世間の注目を集めたのは、マドンナの外見でした。

 授賞式放送後、SNSを中心に「誰かわからない」という多数の投稿が。マドンナ本人のインスタグラムのコメント欄にも「フィルターがかからない生中継ではまったく別人に見えた」「眉毛を元に戻して」「すぐにスタッフとスタイリストをクビにした方がいい」などの声が寄せられました。

 マドンナはそうしたメッセージを受けて、自身のインスタグラムに反論を投稿。パフォーマンスよりも「プレスカメラマンが長いレンズで撮影した、顔がゆがんでしまうような私のアップ写真について」世間が注目していることを嘆き、「私はこれまで、自分が行ったクリエイティブな選択や、自分の外見や服装について謝ったことはありませんし、これからもそうするつもりはありません。キャリアをスタートさせた当初から、私はメディアにこき下ろされてきましたが、これはすべて試練だと理解しています。私の後ろにいるすべての女性が今後より楽に過ごせるよう、喜んで先駆者になっていきたいと思います」と宣言しました。

 マドンナは以前からエイジングについての声を上げ続けています。2016年のビルボード・ウーマン・オブ・ザ・イヤーを受賞後のステージで、「年を取ることは罪。(年を取ると)批判され、中傷され、ラジオで曲がかからなくなるの」と主張したことは記憶に新しいでしょう。また、「今まで私がやった一番論争を巻き起こしたことは、現在も人々に忘れられずに、長期にわたってエンターテインメントビジネスの世界で生き残ってきたこと」と、年を重ねる美しさについても語っています。

米情報番組でも議論に 「公平ではない」

 一連の騒動を受けて、米国ではエイジズムに対する議論が巻き起こっています。米テレビ局ABCの朝の情報報道番組「グッド・モーニング・アメリカ」に出演した米作家のレイチェル・シモンズ氏は、「女性が他人に受け入れられるためにたくさんのお金と時間を外見に費やさなければならないのは、公平ではないわ」とマドンナを擁護しました。

 シモンズ氏は、自身のインスタグラムでも今回の件に関して言及。「昨年50歳以上の女性6000人を対象とした調査で、その3分の2が定期的に年齢的な差別を経験し、それが精神的な苦痛をもたらしているという報告がありました。もし、若く見えるように整形手術をしている女性に対して、自分自身や自分の子どもが非難しているのを見たら、それをさせているのは文化、制度、社会なのかを問うてください。非難すべきなのはその個人ではなく、それをさせているものなのです」と投稿しています。投稿に対して「よく言ってくれた!」などのコメントも多く、女性と年齢差別についての議論はまだまだ続きそうです。

(Hint-Pot編集部)