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年齢のとらえ方次第でいつでも変われる…59歳からクロスフィット世界一を目指す女性の挑戦

著者:Hint-Pot編集部・山内 亮治

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59歳にしてクロスフィットの世界大会に本格参戦した米倉さん。還暦を目前にしてもなお挑戦を続けられる考えとは【写真:伊藤万利子】
59歳にしてクロスフィットの世界大会に本格参戦した米倉さん。還暦を目前にしてもなお挑戦を続けられる考えとは【写真:伊藤万利子】

 ウエイトリフティング(重量挙げ)やローイングマシンによる有酸素運動など、高い強度の全身運動を行うフィットネスプログラム「クロスフィット」。米国発祥の競技スポーツとして毎年世界大会も開かれ、近年大きな注目を集めています。米倉恵美さんは、その世界大会に59歳で初めて本格参戦しました。年齢にとらわれることなく挑戦を続ける米倉さんの素顔やその原動力に迫ります。

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ダンス好きがトライアスロンの世界大会へ 数奇なアスリート人生

1992年、トライアスロン大会「アイアンマンジャパン IN びわ湖」出場時の様子。国内だけでなく世界大会にも多数出場した【写真提供:米倉恵美】
1992年、トライアスロン大会「アイアンマンジャパン IN びわ湖」出場時の様子。国内だけでなく世界大会にも多数出場した【写真提供:米倉恵美】

「調子が良かったので、世界大会に出るのは普通だと思っていました。出られなかったらどうしようではなく、出るのが普通だと。その感覚が良かったのだと思います。余計に緊張せず済みましたから」

 5月上旬、クロスフィットの世界大会「クロスフィット・ゲームス2021 クォーターファイナル」に55歳から59歳までのエイジグループで出場した米倉さん。155センチという小柄な体格にもかかわらず、36キロのバーベルを頭上に上げた状態でスクワットするなど3日間で指定された5つのワークアウトをこなし、その記録を競いました。準々決勝(出場エイジグループにおける参加者数などの関係から実質的には準決勝)に挑みましたが、クロスフィット歴はまだ3年にも満たないそうです。

 中学では卓球、高校と大学ではハンドボールと、米倉さんは学生時代からスポーツに親しんできました。一方、小学2年生の頃から習っていたクラシックバレエを大学時代に再開するなど、「本当にやりたかったことはダンス」だったといいます。そうしたこともあり、大学卒業後はスポーツクラブに就職して、エアロビクスやジャズダンスのインストラクターとしてキャリアをスタートさせました。しかし、ここから思いがけない展開に……。

 インストラクターの仕事に必要な体力を養おうとランニングをしていたことから、ある時5キロのランニングイベントに参加。そこで好成績を収め、当時の職場があった品川区の代表としてマラソン大会への派遣が決まりました。さらに、職場で自転車競技の選手と出会った縁から自転車を始めると、こちらでも競技会に出場。

 ランニング、自転車と来たところで、タイミングを見計らっていたかのように職場で「トライアスロン水泳教室」が開催されることに。「スイムを学べばトライアスロンができるじゃん」と考えた米倉さんは、早速クラスに参加。水泳教室への参加から1年も経たずして、トライアスロン大会に初出場しました。

「スタート前に周りを見渡すと“走れる脚”の人がいないと感じ、勝てるかもって思いましたね」

 結果、女子選手中では2位に40分以上もの差をつけて優勝。男子選手と比べても遜色ないタイムだったそうです。これ以降、職場の同僚からはエアロビクスではなくトライアスロンの大会への出場を勧められ、「やるからには強くなりたい」と日本選手権をはじめ次々に参加。日本代表にも選出され、オーストラリアや米国、メキシコなどで行われた世界大会にも出場するようになりました。

「海外の大会に出場するために何度も外貨を両替に行くもんだから、銀行の人にすっかり顔を覚えられちゃいまいましたね」