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塩「ひとつまみ」と「少々」の分量とは 手ばかりのコツを元家庭科教師が解説【お料理1年生のためのレシピ用語】

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

塩少々を手ばかり(写真はイメージ)【写真:写真AC】
塩少々を手ばかり(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 この春、新生活で自炊に挑戦する人もいるかと思います。レシピ本を見て、知っているような簡単な言葉でも、実際にやってみると具体的な工程がわからないこともあるかもしれません。たとえば「塩ひとつまみ」。「少々」とではどちらが多く、どのくらいの分量なのでしょうか? 料理初心者に限らず、お料理好きな方も知っているようで意外に知らないレシピ用語。元家庭科教諭で栄養士の和漢歩実さんが解説します。

 ◇ ◇ ◇

量り方を迷う「塩ひとつまみ」と「少々」

 味付けをする際に、「塩ひとつまみ」や「塩少々」などの記述で、どのくらいの量なのか迷うことがあるかもしれません。これらは「手ばかり」と言って、計量カップやスプーンなどを使わない量り方です。主に味の微調整などで用いられます。

 量については、結論から言うと「塩少々」よりも「塩ひとつまみ」のほうが多くなります。それぞれの違いを確認していきましょう。

○塩ひとつまみ
 量り方は親指、人差し指、中指の3本でひとつまみ。個人差がありますが、分量の目安としては約小さじ1/6(約1g)に相当します。

○塩少々
 量り方は、親指と人差し指の2本の指でひとつまみ。個人差がありますが、分量の目安としては約小さじ1/12(約0.5g)に相当します。

 このほか、漬け物などのレシピに「塩ひとつかみ」といった記述が登場することもあります。これは手で軽く握る量です。約大さじ2(約36g)に相当します。

「適量」と「適宜」 入れなくていいのはどっち?

七味など唐辛子は「適宜」のケースも(写真はイメージ)【写真:写真AC】
七味など唐辛子は「適宜」のケースも(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 同様に、レシピの分量には「適量」や「適宜」もあります。こちらも味の微調整が目的のケースが多いです。どちらも「好みの量」なのですが、必ず入れるものなのか、不要なら入れなくてもいいのかで違いがあります。

○塩適量
 ちょうど良い量の塩を必ず入れるという意味です。

○塩適宜
 状態によって必要なら加え、不要だったら入れなくてもいいという意味です。

 いずれも下ごしらえや仕上げの際に使う分量なので、加えるならば大量にというよりも微量(ひとつまみや少々)にしましょう。実際に味見をして量を決めるので、最後は自分の舌を信じることになります。

 唐辛子やマスタード、ワサビなどの辛味は好みがあるため、「適宜」といった表現になっていることがあります。また、料理の味や風味、見た目を引き立てるためのハーブ類や薬味などの添え物などは「適宜」とされていることが多いです。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾